食堂かたつむりの料理 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2010-01-14 |
『食堂かたつむり』は、友達が読んだと言っていたし、nodame244さんもコメントで触れてらしたので、ちょっと気になっていました。
で、この本を書架で見つけて、やはりいつものように、いそいそと借りてきたわけです。
物語の中の料理が実際に再現され、レシピと、その料理が出てくる一節も小説から引用された素敵な本。
でも、読んだり眺めたりするのはとても楽しいのですが、これはやっぱり、レシピ本というよりも小説のおまけとしての本なのかな、と思いました。
(小説と同じ、ポプラ社から出版されているし)
なにしろ、主人公が天才的な料理人で、しかも食べたお客さんに奇跡をもたらす料理ですから、いずれも難しすぎるのです。
お茶漬けやサンドイッチはまあ、作れそうだと言えないこともないですが(とはいえ、こういうシンプルな料理こそ美味しく作るのは難しい、とも言える)他の料理はまあ、手が込んでいること!
そうして、私はこの本を読んで、小さな後悔も味わいました。
こういう遊び心のある本は、実用性は低くとも実は個人的に大好きなので、喜んで読んでいました。
ところが、終わり近く、衝撃な料理が登場するのです。
披露宴のための料理。引用の文の最初の2、3行では気づかなかったのですが、あ、この料理って、と思い当たった時の驚き!
たぶん、小説でも驚きをもたらすクライマックスシーンでしょうし、また、大切なシーンであることも想像できました。
しまった、オチを先に知ってしまった、というような気持ち。
ぜひ、どちらも読んでない方は、小説の方から読むことを強くお勧めいたします!
とはいえ、ネタを割るのではっきり書けませんが、『食堂かたつむり』の芯は、人生にも、そして料理にも入っている大切なものなのだと思いました。
小説の方も、読んでみたくなりました。