今宵は満月である。
月と語りたい気持ちにかられ、ベランダに出て空を見上げた。
月は青みをおびた乳白色で、吸い込まれるようにキレイ。
平安の頃、明治、昭和…、その頃と変わらない同じ月をみているのだな、と思う。
世界各地の人々がこうして見あげている月も、やはり同じ月。
海外の、旅の途中でも、
この空は、彼方の国まで続いていると気付いて
月を見上げ、
快くなったことがあった。
上(空)を見あげることは、悪いことじゃない。
今踏みしめている
大地の美しさも、忘れてはいけない。
今日は、ライターの友達と出かけた際に
山崎ウイスキー工場にて買い求めた「山崎」を、
麦茶で割って飲んだ。
東側の眼下には、六甲山脈の山間に街の灯が、海面にうつりこんだように輝いて
キラキラと光っている。
どうしても夜と朝には
東の眼下 に広がる街が、街という姿を彩った湖じゃないかと思えてならない時がある。
それくらい、キラキラとして美しいから。
清少納言は枕草子の一説にこう書いている。
「夏は夜。月の頃は更なり。闇も猶ほ螢飛び交ちがひたる。雨などの降るさへをかし」
同じ頃、ライターの友達も同じ月をみたとメールで聞き
とてもうれしかった。