今週はほぼママ業を離れて、勝手きままな女業をやらしてもらった。
娘のNが月曜から週末まで、大学のテニスサークルで長野に合宿中で、
しばしママ業休暇がとれたのだった。
寂しいだろうなと予想したが、実際にはその思いに反して、自由で愉しいひとときなのだった。
ほとんどの時間が仕事で埋まり、机にむかっているか取材や打ち合わせで人と会っているか、あとはすこぶる自由に過ごした。
まあ、といっても寝る前と朝に大音量でベートーベンの「ピアノ協奏曲第3番ハ短調」やラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18」(最近友人に教わった)を
リピートし続けても全然文句が出ないので存分に聴いたくらいかな。
これって普段だって、結構好き勝手さしてもらっている、ということなのだろうね。
今週は、新規の仕事依頼というか
「ひょっとすると声をかけさせてもらっていいですか」的なオファーも含めると4件もあった。
レギュラー中心で構成する私からしたら異例。
ありがたいお話なのである。
そして金曜日。一件簡単な取材をして、そのあと打ち合わせがあり、気分がハイテンションだったのでそのノリで、
おいしいワインを飲みたくなって、ふらりと立ち寄った。
6月、かおりさんと行った堂島のワイン&ビストロ「グロリエット」だ。
ここは2階に4卓のテーブル席があるらしいが、1階はカウンターのみ。女性ひとりでも入りやすい、カジュアルな小さな造りの空間だ。
この日は、黒板メニューから賀茂ナスと原木しいたけをチョイスし、軽く、ソテーにしてもらった。
さっぱりした食感だったので、野性味あふれるいい材料に違いない。
大葉とカシューナッツ、それにオリーブオイルをあわせた緑のソースが非常によくあっていた。
ワインは最初が南フランス産の赤ワイン(カベルネソーヴィニヨン&メルロー)。
ミネラル豊富でごくごく飲めるフレッシュな味わい。
紀州岩清豚のソーセージとポテト。
そして、シェフがフランスパンをパン切り包丁で気って入らしたのをカウンター越しに見たので、
わたしもマネしてバゲット&バターをオーダーする。
続いて、ボルドーの赤ワイン(ジャンクロードベリウー・カイロル2011)を。
始めのよりはタンニンがしっかりあって、土の匂いがする華やさのあるものだった。
一人で飲んで食べるなんて、何年ぶりだろ。
おそらくNがいたら、そのままデパ地下で惣菜でも買って家飲みしていたのだろうから、
ま、ちょっぴり特別で、新展開のある時間を愉しみたかったのだ(笑)。
ああ、今も「八重の桜」をみて仕事をしているのだが、
本当は9月17日(火)から台湾旅行を予定していて、すでに手付け金を入れていたのである。この一件がどうも気になって仕方ない。
ずっと時間を調整してきて、自分の仕事(ライティング)は問題なく進むはずだが、
印刷入稿(印刷工程に入るまえの最終クライアントチェック)がやはり連休のせいで17日になりそう。
それに、前後にどう繰り上げたり繰り下げたりしても、どうしても別の案件でも校正や打ち合わせ、もしくは確認するべく仕事がその週に入ってくる。
そうなんだろうな、やっぱり…ね。
以前、会社勤めをしていた頃、
ハワイへ1週間行くために随分と人の予定を動かして、メンバーの皆さんに迷惑をかけ、
それでも家族や計画を優先して自分の旅をしたことがあった。
帰ったら「大丈夫、愉しかった?」といわれたけれど、
残されたチームメンバーはコピーライター不在のために、デザイナーやディレクターがコピーを差し替えたりして、
大変な負担をかけたようだった。
それでも企業人ならフォローしてくれるメンバーがいて。
クライアント(取引企業)に迷惑さえかけなければなんとかその場は取り繕える。
でもその後味の悪さは、1カ月くらいじゃあ、ぬぐえなかった。
しかも、今はフリーランス。
1本の、いや1カ所のやりとり次第で、これまでの労力を瞬時に無責任な仕事に塗り替えてしまうのは簡単なことなのだ。(小さな案件だが1冊まるまるライターは私だけだし…)
そう思うと、皆フリーはどうやって旅をしているのだろうなと。
台湾、10月になる前に行きたかったな。旅をして、強くなりたかった。それにはフォン・カーウァイのシネマで観るようなエキサイティングな街だ。
ふと、いま、こんな言葉がアタマを横切る。
「あなたが、いま、どんな立派なコトを考えたか、どんなコトを話したか、そんなことはたいして関係ない。
関係あるのは、あなたが何をやったか。それだけが重要だ」