台北の「丸林魯肉飯」を教えてくれたのは、九フンまで連れていってくれたガイドさんだ。
看板の下でカメラ、カメラ。
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店先には、台湾人の予約客で1階はあふれかえっている(セルフ食堂)。
2階にあがると円形テーブルが沢山並び、名物メニューがアラカルトやセットメニューで注文できる。
見渡すと、会社帰りに訪れたサラリーマン客のグループやら、親戚一同の祝い事で集まったグループ、家族連れなどで賑わっていた。
日本人のように、一人もそもそとラーメンなどをかきこむ姿はない。
ともかく台湾の人達は沢山オーダーして、ワイワイと騒いで1時間ほどで平らげ(ものすごい食欲)、
サッと帰ってしまう面白い国民性。
ビールも飲まないのに
よくあれほど盛り上がれるなぁ。
それにしても愉しそう。日本人が少ない店で、よかった。
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まず台湾の地ビールをキューッと一杯!
そして、700元くらいのセットメニューをお願いしたのだが、
からすみが出たら、究極といわれる魯肉飯(名物)が。
これ、砂糖と醤油で煮込んだバラ肉のそぼろかけ御飯だが、美味しいのなんのって!
もう倍返しでお代わりしたかったほど。
ほかに、干し大根を入れた卵焼きに、海鮮の炒めもの
豚の角煮、青菜炒め、炒飯、小籠包…と盛り沢山だ。
不思議なにおいはナンだろう。わからない、
独特の調味料である。
やはりここは飯物が絶品だ。大衆っぽい、いい感じの店だった。
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窓は開かれていて、台湾のねっとりとした空気と、排気ガスと食べ物と動物のフンのような怪しいにおいが、
流れ込んでくる…。
こうやって娘のNと向かい合っていると、ここが台湾というのが不思議。
ひっきりなしに流れるバイクや車、トラックや、人の騒ぐ気配。
帰宅途中のサラリーマンたちや繰り出してはしゃぐ大勢のファミリー。
台湾の夜はビックリするほど活気に満ちていて、そのエネルギーが食堂にいても伝わってきて、ますます愉快な気持ちに!
ああ面白いなぁ旅。
1時間半ほどで食事を済ませて勘定を払い、
目指すのは京劇の「タイペイシーブン」である。
店の人に聞くと20分ほどで歩けるというので
テクテク、テクテクと徒歩で中山北路周辺まで
台湾の夜街を愉しみながら歩く。
途中、セブンイレブンへ立ち寄ったり、写真館での変身写真を見たり、ブランドショップをひやかしてりして歩くので
ちっとも飽きずに、アッという間である。
さあ、ついたここ。
さすがに日本人は垢抜けたファッションに身を包んだ上品な観光客が多いこと。
京劇が始まるまでは、役者さんのメイク風景や衣装などを観ることができ、
これもサービス精神旺盛である。
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舞台の内容は西遊記だった。
唐の三蔵法師が天竺へ行き底に仏殿をもたらす道中のストーリーだ。
大切な娘を、妖怪に召し捕られたので、孫悟空や豚の八戒、
河童の沙悟浄が闘い抜いて助けるという内容だった。
パフォーマンスは迫力満点。やっぱり京劇は唄にやられる…。
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中国映画の『さらば、わが愛/ 覇王別姫』(93年)、
『活きる』(03年)等で、京劇とはどういうものかということは分かっていたのだが、
内容はシネマほどではなく完璧に観光用だったのが少し残念。
だが、観客席では、韓国人、米国人が多くて様々な言語が飛び交い、
とても国際色豊かというのも愉しめた。
舞台が終わればスターたちと記念撮影まで出来た。
再び、シェラトン台北まで今度はタクシーで戻る。
18階まで吹き抜けになった高級ロビーはやはり圧巻である。ホッとする。
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部屋に戻れば、すでに10時半。ホテル内を探索したあとでティーを一杯。
そして全面鏡に被われた広い広い浴室へ。
シャワーブースで汗を流したら、
ゆっくりバラの入浴剤をいれてバスタブに。
寝転がってもまだ広くて落ち着けるのが最高だ。
本も読まずに、ゆっくりと30分くらい浸かってあがり、バスローブを羽織って部屋に。
夜のとばりが美しい。 テレビをつけると台湾語のニュース。ドラマが多い。
まだ街は活気ムンムン。ウエルカムドリンクの赤ワインを飲もうかと思ったが疲れているのでそれも諦めてベッドへ。
隣をみるとNはもう夢のなかだった。
(台北旅行記 1はこちら)
(台北旅行記 3はこちら)