月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

朝活、自然の中のウォーキング

2013-06-20 23:46:04 | 春夏秋冬の風


6月というのに猛暑並みの気温が続いたかと思えば、ここ数日はモンスーンのような激しい雨が降っている。

今日も朝のヨガレッスンで「日本は亜熱帯のような気候になってしまって、いろいろ心配ですよね」と先生がおっしゃっていた。 

本当にそのとおり、日本に四季がなくなるなんてことになったら大変だ。

植物も生物もずいぶんと変わっていくに違いない。山の生態も繁る木々も変わるのだろうな。
私のデスクからは、今も六甲山脈にたちのぼる濃い水蒸気と白く煙る重々しい雲が、どんどん、どんどん、ものすごい勢いで生産されている。

雨、雨、雨。 
雨は新緑を、街の汚れを美しく洗い流し、毅然としてかっこよく降っている。
初夏の雨はいつだって清々しい。

私は子供の頃から、雨が天から降り注ぐのを(また土にしみていく様子を)みるのが大好きなのである。
自然を肌で感じられる街に暮らしていて良かったなあ、とほんとうに思う。

この街。18年住んだこの街には春になれば、朝に、昼に、ウグイスが鳴かない日はないし…。
5月から夏にかけては、ものすごく美しい響きと不思議な鳴き方で呼びかけてくれる鳥がやってくる。

わが家から歩いて5分くらいの、静かな森の谷間から今も聞こえてくる、不思議な鳴き声…。
その鳴き声、よくよく耳を澄ましてみると、「てっぺんかけたか」「てっぺんかけたか」「てっぺんかけたか」というらしい。
息をずっとずっとひきつけながら歌っているような、不思議な声色がすごく神秘的な鳥なのである。

最近は少なくなったが、数年前、真夜中まで原稿を書いている時や、
朝4時頃に起きだして、原稿チェックをしている時に聞こえてくるのが、この「てっぺんかけたか」だった。
この鳥の声を聞くだけで、一瞬に心なごんだ。
何か大きなものが側にいてくれるような、不思議な安堵が私を包みこんでくれるようだった。
単純に声の響かせ方が大好きだった。聞こえてくるだけで街がさらに大好きになった。
その鳥はかの有名なホトトギスだったのである。

3年くらい前にホトトギスを知った時は、思わずその生態を図書館で調べたりもしたのだけど…。


さて、自然のことを少し書いたので今度は、朝のウォーキングコースのことをチラリと書いてみよと思う。

トレッキング(日本や世界中の登山)を趣味にしているあるコピーライターの先輩と週に1度だけ一緒にウォーキングしていて、彼女に案内してもらったコースなのである。

最初は新興住宅街の外周道路を15度くらいの角度の坂でのぼっていって、
やがて裏六甲山に向かい合う位置に達したあたりで、砂地斜面と松並木の遊歩道が続く。



そして、ワシントン郊外のような電柱もない、電線もない住宅街が現れる。そうやって洋風建築の戸建てが続く集合住宅街をぬけて、
ずっとずっと南へ下っていくと、
ふとある瞬間、タイムトンネルのような竹と杉の森に出る。
そして、いきなり景色がいっぺんするのだ。



そこは、山陽地方の海に面した尾道あたりに似た急斜面だ!



まがりくねった細道が延々と続き、沼があって、森があって
、竹やぶがあって、段々畑や棚田が左右に広がっていく。











私は汗をふきながら、さらに周囲の景色を見渡しながら歩いている。
しばらくいくと垣を積んだ小さな民家が現れ、むっーとするほどの生活臭い暮らしの家(田舎らしい佇まい)が2軒・3軒と現れる。







広い庭の表には、さびた竿に大所帯の洗濯物がかけられていたり、子供の赤い長靴がさかさに干されていたり、
大根や野菜を干していたり、小さな尾道チックな世界がしばらく続くのである。
そして、今度は山の田舎。自然の中の家々…。




そしてさらに下へ下へと降りてくると、またまた竹林の道が続き、
今度は京都の比叡あたりの風景に近い森の林道が現れるのある。
耳を澄まさなくても聞こえる野鳥の声、虫の羽音、そして水の音…。
山の水の音だ。武庫川渓谷から流れているせせらぎというか、小滝がすぐ近くに接しているのである。






しぶきがこちらまで届きそうだ。揺れる緑、爽やかな緑の香りだ。もう、ウォーキングもここまで来ればフィナーレに近い。

小さな石の橋を渡って川面からくる涼しい風に暑く蒸気した頬を差し出す。
ああ気持ちいい。マイナスイオンの風である。




水と森ってなんでこんなに融和しあうと気持ちいいんだろう。そんなことを感じながら、軽やかに、愉しく、そして少しだけ息をきらして、
落ち葉の養分でふかふかになった柔らかい土壌を足裏に踏みしめながら歩く、歩く、歩く。






両手を振って、背筋を正し、肩甲骨を思い切り刺激するような姿勢で。
鼻から息を吸って、今度は息を吐いて、周囲の景色に同化する自分を感じながら歩く。

もうすぐ、整備された桜の公園広場だ。
それを抜けると急回転するロングロング滑り台があって、見慣れたいつもの住宅街が見えてくるである。
この日のウォーキングを計るには携帯アプリRunKeeperがいい。
1時間10分。距離は3.50マイル。

帰ったらシャワーを浴びて、熱い紅茶を飲みながらどんなフルーツを食べようか。

最近ブームの「朝活」。そうだ、朝に元気がない人は筋力を高めると良いらしい。
筋肉がない人は神経ネットワークが単純でストレスに弱いから。
ストレッチやヨガ、ウォーキング、ジョギングで筋力をつけること(主に下半身)で些細なことにぶれない自分になるという。





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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あじさい寺にて ()
2013-06-24 19:17:30
この前は、ありがとうございました。雨のあじさい寺を期待してましたが、晴れ女二人暑い1日でしたね。毎日こんないい所でウォーキングできるなんてあなたは幸せ者ですね。子供に感謝。ご主人に感謝ですね。お体ご自愛下さい。
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Re:あじさい寺にて (anderu_moon8813)
2013-06-26 09:35:24
三室戸寺のこと、はやくアップしなきゃあね。6月半ばから、ヒマ!を宣言したとたん、お仕事もプライベートもスケジュールがぱんぱんに。もうしばらく待ってね。

葵さんの忠告はいつもよ~く、しみますわ。
ありがとう。
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こんにちは (コトリクル)
2013-06-26 17:25:10
ウグイス、ホトトギス、タヌキ、ヘビ、、、、
以前はサルも出没したよね、、、、
私はカラスにシャケを取られたことがあります、、、、
山百合も咲くし、自然豊かな里ですね。

こどもの頃に住んでいた所は田んぼがあったので
それなりの自然があったけれど
ウグイスはいなかったわ、、、、

鳥の声はいいですよね。
ベランダに時々小鳥がとまってさえずっています。
落し物もあるけれど、、、、

スズメの雛が迷いこんだことがあって
手すりの高さまでなかなか飛べなくて
隙間から飛び立てるように
ほうきか何かで追い込んだりしたけれど
何とか自力で手すりの高さまで飛びました。
その間ずっと親鳥が向かいの屋根にいて
雛が手すりに上がったとき
迎えにきて一緒に飛んで行きました。
よかった、よかった(^^)


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いいお話をありがとう♪ (アンデル)
2013-06-27 15:50:19
コトリクルさん、いらっしゃい。

本当に耳を澄まし、目をむければ
自然が身近に感じられていいところですね。
この街も開発して30年、木もどんどん大きくなってきて、いよいよ成熟してきましたね。

新興住宅地特有の、モダンな街並みと、
昔ながらの歴史や文化がある町が、
隣り合って溶けているところに、魅力を感じます。
ウォーキング、また誘うね!!

スズメの雛のお話は、よくわかる。
私もそんなカワイイお客さんが来たら
しばらく目を話せないな。



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