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「希望を胸に執筆日記」
3月19日(月)
翌日も雨だった。毎朝一〇分のヨガを五分で切り上げて原稿を送る。
二本送信したらすでに昼過ぎだった。
本来なら昨晩書いていた原稿をもう少し時間をかけて再考したかったのだが、取材対象者が意図していた内容はおそらくこういうことだと自問自答した上に、結論づけてそのまま提出していたことが気になっていた。
これ以上時間はかけられない。
朝に何度かキャッチフレーズを再考してはみたが、この言葉ほか大事なポイントはないように思えた。ただ、私なりの考察(フィルター)が色濃すぎるのではないかとも気になる。
本誌が書かせたかったタイトルとは少しだけ違うのではないかと、そこが少し気になった。
誌面でのキャッチは一五文字くらいで言い切る言葉が圧倒的である。
こう短ければ曖昧な言い回しなどしてすることはできない。
私の提案したものは切り口は新しいはずだが、やや断言しすぎないかとじりじりと自問自答。
本当にそうだろうか、いや他の結論はないか、もっと別の切り口はないか。
結局三案くらい考えた末に、一番はじめのものに戻して送信したわけだが、なんだかつじつまだけ合わせて、時間を優先したのではないかと胸に手をあて軽く落ち込んでいたのだ(こういった場合、数分してから再送する場合も私の場合には時折りある)
続けての依頼原稿にかかればいいものを、そんな気にもなれず久しぶりにSNSをだらだらとみて、お昼ごはんづくり。昨年のものだが小笠原のしらすがあったので、解凍もせずにパスタを作って食べた。
メールの返信をして、デザイナー女子と電話。気がつくと四時だ。
大慌てで、紅茶をいれてもう一本コラムを書き出したが全く筆がのらなかった。何度もトイレへ行ったりお香を焚いたり。
気持ちを入れ替えるため一〇分ソファーで仮眠をしようと思い、結局四〇分以上も寝ていた。
こりゃ完全にふて寝だ。いつまで切り替えられないのだ、全くとほほである。
日が沈もうとしていた。
薄いブルーのシチュエーションに包まれる夕方の時間がやってきた。
この時間だけはなぜか、自分もブルーの時に染まり自然の一部へならないといけない気がする。
再び気分を入れ直すため、乾燥させたショウガを入れた紅茶をつくって飲んでいたその時だ。
担当編集者(副編集長)から一本のメール。
「〜〜〜などポイントが良くまとまっていると思います。
テープ起こしも十分丁寧ですので、助かります」
というような軽いねぎらいの文面であった。
原稿作成前には必ずテープは起こすものの、それまで送信してほしいというオーダーも実は少し気重だったのだ。
ともかく、
ホッと肩の荷が1つ下り、Nに一本、脳天気なメールを送る。
そして次の依頼原稿に、今度は真剣に取り組み始めた。
途中で日々の恒例となっている母に安否とご機嫌伺いの電話をし、
夕飯には手羽先入りのじゃがいも煮をメーンに、サラダを作る。
今日こそ早寝をしようと思っていたのに結局二時まで仕事をして就寝。
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