Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 12

2020年02月28日 | ダマスクローズをさがして — Ⅰ

薔薇物語挿絵には様々なパターンがあります。

イタリアのアリギエーリ・ダンテ、フランチェスコ・ペトラルカ、イギリスのジェフリー・チョーサーなどがそれぞれの国の言葉に翻訳しヨーロッパ文学に多大な影響を与えました。現存する写本だけでも300を超えます。全ての写本に挿絵があるわけではありませんが、その数は想像にあまりあります。

薔薇物語冒頭の挿絵にもそのことが言えます。幾つか取り上げておきます。

主人公の左肩に描かれた薔薇の花の色にご注目下さい。

         

            http://expositions.bnf.fr/aimer/expo/salle1/01.htm 

          Guillaume de Lorris and jean Meun, Paris, around 1420 -14.
         BNF, Manuscrits, French 804, f. 1 © National Library of France
           デュプレシスダッセ家の紋章が中央に付いています。

 

   

Roman of the rose Guillaume de Lorris and jean Meun, 1301-1400. Parchment. - 184 sheets with 2 columns. - 305 × 210 mm. - Gray calf binding BNF, Manuscrits, French 12593, f.1 © National Library of France

 

          

    La quête de l’Amant Roman de la rose Guillaume de Lorris et jean Meun, Paris, 3e quart du XIVe s..

    Montpellier, Bibliothèque interuniversitaire, BU médecine, ms H 245, f. 2 モンペリエ、大学図書館蔵

 

バラの花は白、赤、白と赤。挿絵には何らかの寓意が込められていると考えられるのですが。

薔薇の花の色は白でも赤でも、そして両方が混在していてもいいのでしょうか。

ここで仮説を2つ立てておきましょう。

1. 白でも赤でもよかった。

2. このバラは酔芙蓉のように色が変化する。

これ以外に考えられるでしょうか。