Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 153

2020年12月02日 | ダマスクローズをさがして ― Ⅲ

2. 水蒸気蒸留法
原料植物を蒸留釜に入れて蒸気を送り込みます。オイル成分を、熱蒸気を使って出します。(エッセンシャルオイルは揮発性です)すると植物中にある精油成分が遊離、気化して水蒸気と一緒に上昇します。この精油成分が混入した水蒸気を冷却すると、液体に戻りますが、エッセンシャルオイル(精油)は水には溶けない性質を持ち、水よりも軽い(一部の精油は水より重い)ため、水とエッセンシャルオイル(精油)の2層に分かれます。これを水と分離して取り出し、100%純粋の精油(エッセンシャルオイル)を得ます。分離した水には、水溶性の芳香成分と微量の精油が残っており、芳香蒸留水(オレンジフラワーウォーター(ネロリ水)、カモミールウォーター、メリッサウォーター、ラベンダーウォーター、ローズウォーターは全てフローラルウォーターです)として利用されます。水蒸気蒸留法は比較的安価な装置で行うことができますが、一方で原料植物が熱と水に晒されるため、また、デリケートな成分を含む精油は、熱と水に反応して壊れてしまうためこの方法ではエッセンシャルオイル(精油)が抽出できない植物もあります。ラベンダー、ペパーミントなど多くの精油はこの方法で抽出されています。

              

    https://www.orangeflower.jp/soap/shop/water/neroli_water.html 

 

  1. アンフルラージュ(Enfleurage)法

“Enfler” とは “腫れ上がらせる” という意味です。アンフルラージュ法は、油脂が香りを吸着する性質を利用して花から香料を抽出する方法です。古くから行われたやり方で、室温で行う冷浸法と、熱を加える温浸法の2種類あります。

 

3-1. 冷浸法(仏:L'enfleurage à froid、英:Cold enfleurage)は、ジャスミンやチューベローズ(月下香)など、摘みとった後も香りを失わない花から香気成分を抽出するために使われた方法です。室温で抽出が可能であるため、熱に弱い成分も抽出することができます。

脱臭した固形の動物性脂肪(通常は精製した豚脂やヘット(牛脂))をガラス板に塗り、花びらを並べて載せ、花びらに含まれる香気成分をトレーの脂肪に吸着させ、何度も繰り替えます。脂肪1kgにつき花2-3kgの割合で作業を1か月ほど続けた後、低温でエタノールと混ぜて香気成分を脂肪から分離します。

香り成分が多量に含まれた「ポマード」と呼ばれる脂が出来ます。このポマードをアルコールに溶かします。香り成分をエタノールに移した後、液体を加熱し、エタノールを蒸発させて精油を得ます。溶剤抽出法が一般的になる以前に、ジャスミンやチュベローズ(ゲッカコウ、月下香)など、水蒸気蒸留法では熱により壊れてしまうようなデリケートなエッセンシャルオイル(精油)を抽出するのに用いられていた方法です。フランスのグラースなどで、かつては盛んに行われていましたが、非常に多くの人手を要し、製造コストがかかることから、溶剤抽出法にとって代わられました。現在では、観光客に見せるアトラクションとして行われている程度で、今は商業的には実用されていません。 

          

   https://www.carrementbelle.com/blog/fr/2019/06/02/fabrication-parfum/ 

この冷浸法を利用して、チョコレートにハーブの香りを染み込ませようというレシピがありました。チョコレートの中にハーブを入れるという、極めて簡単な方法ですが、新らしいお菓子のヒントになりそうです。

 

ハーブチョコレート

冷浸法(Cold enfleurage)でチョコレートに香りを付けます。

               

チョコレートに含まれるココアバターに着目してチョコレートに花びらの香りを染み込ませます。アンフルラージュ抽出技術は、香りを抽出する方法です。 ここでは、花びらの近くに脂肪(カカオバター)を置きます。花びらは香りを拡散させ、脂肪はそれらを吸収します。 目的の香りの強度に達するまで繰り返します。

  

方法;

チョコレートを細砕する。花びら(又はハーブ)を半分蓋がしっかりと締まる瓶に入れてチョコレートを加える、残りの花びら(又はハーブ)を入れる。しっかりと封をして冷暗所に少なくとも4日間入れる。花びら(又はハーブ)を取り替えて好みの香りの濃さになるまで繰り返す。

(チョコレートはテンパリングをして型抜きをするので、その際にハーブを入れて香りをチョコレートに移してはどうでしょう。45~50℃で溶かす際に入れておけばと思うのですが、近々試みようと思います)

 

次にご紹介するチョコレートはどのように香りを付けているかはわかりませんが、一例として参考にしてください。ハーブとチョコレートの取り合わせは、色々と日本発の材料も試みられていますが、これといった、出色の味にはなかなか巡り会えません。少しでも参考になればと思います。

        https://www.lmorechocolat.com/parisian-herb-and-spice-truffles/

 

 

 

 


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