ラムセス4世が編纂した大ハリス パピルスには、エジプト第20王朝の初期の王ラムセス3世の時代のプントへの旅程に、コプトスまではナイル川を使い、そこで輸入品を輸出品と積み替え、降ろされた輸出品は、ロバと人力で陸路を、紅海まで運び、そこからプントまでは船が使われたと書かれています。描かれた魚の種類からの推定すると紅海を通り、陸路はワディ(涸れ川)を利用していたと考えられます。
大ハリスパピルス(部分)紀元前12世紀、大英博物館蔵
オシリス神,第20王朝時代,ラムセス2世,ラムセス4世が描かれています。
紀元前15世紀のハトシェプスト女王の治世のプントとの交易方法は、船は定期的に紅海を横断し、瀝青(モルタルとして使われた)、銅、彫刻した御守、ナフタなどの商品を陸路で死海を下ってアカバ湾の頂上にあるエラットに輸送しました。その場所で、紅海の東海岸に沿って北に走る山々を通る貿易ルートに沿って、海と陸の両方で北に運ばれてきた乳香とミルラに合流しました。
ファラオ ホルエムヘブ(Pharaoh Horemheb)18王朝の墓に描かれた香りの神ネフェルトゥム http://www.godelectric.org/nefertum
古代エジプト人は、「閉じない美しい人」を意味する香りの神ネフェルトゥム(Nefertum)を崇拝し、エジプト神話では、最初の日光とエジプトの青い蓮の花の素晴らしい香りの両方を表しています。 ネフェルトゥムは、創造主であるプタハ神(Ptah)とバステト女神(Bastet)の息子と見なされていました。彼は通常、頭の周りに青い睡蓮の花を持っている美しい若い男として描かれています。
神々に香を捧げる
エドフ(Edfu)のホルス(Horus)神殿の壁には、お香の秘密のレシピが刻まれています。パピルスエーベルス(Papyrus Ebers、紀元前1550年頃に書かれたエジプト医学パピルス)には、没薬、乳香、樹皮、その他の挽いたハーブを液体(蜂蜜、ワインなど)と混ぜて火の上に置く“家や服の香りを甘くする”レシピが書かれています。
特定の神々と女神は特定の種類の香と関連がありました。たとえば、ハトホル(Hathor)は没薬と強く関連していました。エジプト人は、没薬と乳香の木から神々の樹脂の「涙」と「汗」を集めて、お香にしました。宗教的な秘密は、設定された日数、象徴的な成分、および魔法の呪文を必要とするお香を作るためのプロセスを覆い隠していました。僧侶たちは、香りのよい樹脂にハーブ、蜂蜜、ワイン、レーズンを混ぜ合わせることで、神々の体を神秘的に作り出していると信じていました。寺院の彫像の前でお香を焚くとき、僧侶たちは神々の香りを神に捧げていたのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます