新メンバーのA星さん、推薦のフランス映画「ゲームの法則」を鑑賞しました。
まずは、A星さんの、この作品を選ばれた理由から:
トリュフォーが「映画狂のバイブル」と讃えた名作ということで、是非とも観たいと思っていた一本でした。でもフランス映画は一人で見ると消化不良になりがちなこともあり、ぜひシネ部のみなさんと一緒に観たいと思い選びました。悲劇でありながらハチャメチャなこの作品、いかがでしたでしょうか?
なるほど。
鑑賞後のN崎先生、F井さんの解説や感想を含め、さまざまな意見が飛び交う作品でした。
1939年製作の映画で、当然モノクロ。当時、最初のロードショーにおいては不評で、フランス本国でも「埋もれた傑作」として認知されていたものだそうです。監督であり、脇役として出演しているジャン・ルノワールは、画家の巨匠オーギュスト・ルノワールの次男坊。脚本も手掛けています。
ストーリーも登場人物の人間相関図も、少し説明し辛い。
物語は、大西洋を単独で横断飛行に成功したパイロットが帰還するシーンから始まります。英雄となったパイロット、アンドレには、忘れられない愛人、大公夫人のクリスチーヌ(オーストリアの大公夫人で彼女自身が役柄のモデルとなったグレゴール)がいることを、ルノアール扮する友人のオクターブルに告白。その後、ふたりはその大公貴族、ロベール・ラ・シュネイの屋敷へ訪問し、そこで男女入り乱れた一夜のパーティでの一部始終が映画の流れです。
さまざまな恋愛の悲喜劇を通して、人間や社会の構造、戦争に傾きつつあった時代の風潮を暗に批判している作品。それゆえ、当時は評価されず、のちの1959年に完全版が完成したそうです。
最後は、女性の方が男性よりも、はるかにしたたかであり、男性の方が純粋であること。
人間は、それまで敵対していた相手とも、新たな強い敵が現れると、それまでのことはケロリと忘れて、仲良くなれたりするという特性を持つというあたり、勉強になりました。
映画として、当時としてはそのカメラワークや、ワンシーンにおさめられた超長いセリフなど、見どころも満載。個人的には、当時のファッションやヘアメイクなど興味深く拝見しました。
フランス映画は、難解なものが多いですが、比較的ご覧になりやすい作品。
A星さん、貴重な作品をありがとうございました。
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