以前、映画「風立ちぬ」の感想をブログに書かせていただきました。
あれから、雑誌「シュプール」に掲載された、ジブリ鈴木プロデューサーと、「桐島、部活やめるってよ」の原作者、朝井リョウさんの対談記事を読ませていただき、いろいろ考えさせられました。
ここからは、若干、内容に触れますので、ご覧になるご予定の方は読み飛ばしていただけたらと。
劇中、ラストシーンで、主人公、二郎の前に亡くなったはずの菜穂子が現れて、二郎に「生きて」と言う場面があります。
ところが、宮崎駿さんのアニメ原作では、「来て」という言葉だったと。
つまり、180度、意味合いが変わってくる。元々、菜穂子は、彼岸から二郎に死んで、私のところへ来てというストーリー設定だったわけです。
インタビュー中でも語られていますが、鈴木プロデューサーが、宮崎駿監督に「風立ちぬ」をやりたいと申し出た際、子供にみせるべき内容でないと意見したというエピソードも、納得できる。
宮崎駿さんの遺言という映画のコピーが、俄かに信憑性を帯びてくる・・。子供たちに夢を与えるべきアニメにおいて、取り扱ってはならない物語テーマなのか・・。
宮崎駿さんの「兵器好きなのに、戦争が嫌い。同時に祖国・日本(正確には日本の権力)が嫌い」という矛盾する人格、そして、「軍事・兵器好きと左翼的平和指向」「西欧への憧れと日本への回帰」を行き来し、矛盾、カオス、二面性に充ち満ちている彼自身の思想の変遷を感じずにはおれません。
二郎は、宮崎駿自身の分身なのか・・
自分の作ったもののもたらす結果に影響を受けることなく、まわりの人々の想いは打ち捨てても、自らの夢を追求する強さを持つ人。そのような生き方への肯定なのか。
そのあたり、「風立ちぬ」を劇場のスクリーンで、ご覧になりご感想をお聞かせ願えたらと。
次回作「かぐや姫の物語」も、予告編で拝見し、すごくユニークな画風で引きつけられるものがありました。
こちらも、楽しみな作品です。
◇「風立ちぬ」あらすじ (ネタバレ注意)
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