これからの銭湯はどうなる?
私の所属する広島県中小企業診断協会は、
2年に1回広島県からの依頼により、公的診断
としての浴場診断を行っています。
診断対象の銭湯は、広島県公衆浴場業生活衛生同業組合
に所属しているところです。
なぜ、この組合に所属している銭湯に対して診断を
行うかというと、広島県から補助金を受けているからです。
この補助金の目的は、以下の通りです。
県内には昭和50年代前半までに建てられた木造の
借家を中心とした風呂のない住宅が約9,500戸
(総務省の「平成 20年住宅・土地統計調査」による)あり,
これら自家風呂を持たない人々に入浴機会を提供し,
保健衛生の確保のために,一般公衆浴場は必要不可欠
なものであり,経営安定化への支援により利用機会の
確保を図る必要がある。
公衆浴場の入浴料金は,物価統制令によって県知事が
上限額を定めることとなっており,これにより低額に抑制
さ れているため,事業者の自助努力による営業収入の
確保には限界があるため,資金不足を軽減し,経営の
維持・安 定を図ることが必要である。
(入浴料金 大人400円,中人150円,小人70円)
「公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律」
において,地方公共団体は公衆浴場の経営の安定を
図るため所要の助成その他の必要な措置を講ずる
よう努めることとされている。
自家風呂を持たない人たちのために補助を続けているのです。
ところで、みなさん最近銭湯に行きましたか?
私もお風呂好きなのでよく行きますが、ほとんどスーパー銭湯です。
今のスーパー銭湯は本当にすごいですね。
リピートしたくなる仕組みが沢山あります。
しかし、スーパー銭湯は組合に入っていませんので、診断の対象外です。
組合に入っている銭湯に最後に行ったのはここぐらいですね。
<繁華街にある音戸温泉>
ここは、都会にある天然温泉が売りですね。
天然温泉がなければ厳しいのかもしれません。
私も今まで色々な銭湯の診断をさせていただきましたが、
ほとんどの銭湯が同じことで悩まれています。
■客数の減少
銭湯に来てくれる人はほとんどが高齢者で、亡くなられたり介護が必要
になられて毎年のように客数が減少している。
■利益がでない
組合に入っていると補助金等色々な利点があるが、料金が広島県で
決められており、燃料代の高騰や消費税が上がると利益がでない。
■後継者がいない
自分も年金と合わせて生活がやっとできる状態であるため、自分の子供
に継がせようと思わないし、子供も継ぐ気がない。
ほとんどの経営者が高齢者となっており、今後10年、20年すると
後継者がいなくて廃業される銭湯がどんどん出てくるでしょうね。
町の銭湯がなくなるのは本当に残念です。
自分の子供への事業継承が難しい場合、もっと規制を緩めて
やる気のある若者がユニークなアイディアを実現できる環境を
整えてあげれば、スーパー銭湯に対抗できる銭湯をつくれると
思うのですが・・・
日本人は本当にお風呂好きです。
しかし、戦後お風呂の無かった時代に必要だった銭湯の役割は
終了したのではないでしょうか?
銭湯も今の日本人にあった変化をしていけば、
補助金に頼らなくても生き残って行けることが可能だと思います。
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西原 州康
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