いかなる国にも属さないスパイ『キングスマン』。彼らは悪の企てを阻止するために活動する秘密の組織。
映画のアクションシーンではいつも退屈してしまう私が楽しめるとは。過激な殴り合い、異常な殺し合い。いつもなら「マネする人がいたらいけない、刺激が強すぎる」と眉をしかめるのに、この映画のセンスに魅了され、「暴力はダメ」という思いが吹っ飛んでしまった。キレッキレのアクションがばかばかしいほどかっこいい。武器が楽しい。音楽のセンスがいい。パグがかわいい。心掴まれどころが満載。殺された人の痛みが自分の体に走って目をそらさずにいられないへほど残酷に感じるのに、納得してしまったのは、皮肉が効いているからか。「ふざけすぎ」と頭の片隅で思わなくもないが、ありえないハイスピードアクションが非現実的でグロくもないし、悪人なんだから殺されて自業自得だよね、シリアスに考える気がなくなった。良心がまったく痛まなかったわけではないけど。情け容赦がないようで道徳的だったり、そのあたりのバランスもいい。ユーモアもありシャレている。自分を信頼している犬は殺せないけど、差別主義の悪人はどんどん殺すというのも私はいいと思う。
とにかく、コリン・ファースが最高にかっこよかったから、べた褒めになるんだけどね。紳士で大人でステキ。ひさしぶりに大興奮。「マナーが 作る 人を」ね。