(映画館観賞)
稲垣吾郎、長谷川博己、渋川清彦3人の40歳前の男たちの話で、3人は仲のよい同級生だけれど、同窓会的な学生時代の友だちっていいなという話ではなかった。
吾郎ちゃんが、冒頭で田舎のおじさんに見えて一気にリアリティが出た。台詞が多すぎると思うところもあったが、笑いどころ、じーんと感動どころもあり、最後には自らの人生を考えさせられ、見応えたっぷりの映画だった。
※(以下ネタバレあり)
40歳といえば人生の半分だ。
人生に挫折し故郷に戻る。故郷の親友たちもそれぞれ絵に描いたような幸せではないけれど、どうにかやっていた。自分の人生に責任を持たなければならない年齢に達したのだと感じたとき、立ち止まり考えさせられる。自分のせいだと思わなければいいのかもしれない。誰かのせいにできれば楽になれるかといえばそうではない。誰も自分をわかってくれるはずもなく、自分の居場所は自分が見つけなければなならない。助けてもらうことも助けてやることもできない。それでもあいつも頑張っているから俺もがんばろうと思えるのが友だちだ。相手の苦しみを理解できた時、本当の繋がりができる。人は結局ひとりなのだとしても強く生きられるのだと感じた。
「なるようにしかならない」
悪い方に向かわないでほしいと願いながら観たが、心配したことは起こらなかった。もしかしたら私たちはすんでのところで踏みとどまって生きているのかもしれない。踏みとどまることができる強さや優しさ繋がりを持っているのだと信じられた。それなのに予想もしなかった事が起こってしまう。半世界を突きつけられた気がした。
私は40歳になった頃から「こんな人生になるとは」思うようになった。どんな人生を自分は歩もうとしていたのかさえ分からなくなった。振り返っても戻れはしない。自分の思っていたとおりになる人なんてそういない。努力をするしかない。日々を生きていく。今がよければいいという意味ではない。明日のために今をよくしていく。明日どうなるか分からないから明日のために生きる。
半世界が続く。
映画『半世界』公式サイト→http://hansekai.jp/