心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

浅草岳、ブナ平新道へ。

2018-06-25 21:00:00 | 山日記
浅草岳に行きたくなったのは何故だろうか。

北や南アルプスに飽きた訳ではない。とある文筆家のようにあちこちの山に行きたいというつもりもない。
今感じるのは、日本海側の山、特にブナの生い茂る山に魅了されているという事。自分の身近にある山とは違う景色に強く惹かれる。

浅草岳には五つの登山ルートがあるが、自分が住んでいる所から浅草岳へのアプローチは決して近くない。この際一気にまとめて登ってしまおうと考え、まず初日は福島県只見側のブナ平新道へ。


朝五時に登山口を出発。
昨日下見に来た時にはクルマと人とで賑わっていたが、平日の今日は静かそのもの。



歴史ある古道を利用した登山道との事。いにしえの方々はどんな思いでここを歩いてきたのだろうと想いをはせる。



周りは鬱そうとした森。古木はしっかりと苔生し風格を感じさせる。



草原に出る。上空は灰色一色。



山神ノ杉。ここにだけ杉があるのは昔の人が植えた名残りだろうか。
沼ノ平の分岐があるが、道が崩れていて行けないらしい。何とも残念。



登って行くと、あちこちにブナの木が混じってきた。この先のブナの森を見られるのがとても楽しみ。



平石山の辺りからなだらかな道になる。
ガスが森に入って来た。柔らかい光に包まれ、幻想感に満ちる。



沼ノ平分岐点あたり。この先から尾根が狭くなる。一迅の風が周りの音をかき消す。



すだれ岩に差し掛かると、左側の眺望が得られる。上空の雲は厚いが遠くの山々がうっすらと見渡せる。



この先の尾根も雲の中。晴れていれば山頂付近が見えるのかもしれないが、今日はすっぽりと雲の中。



次第に木々の背が低くなってくる。ガスも段々と濃くなってきた。



雪渓のトラバースになる。ガスが立ち込めているので、行き先に迷う。



雪渓を渡り、藪道となる。藪の下にはシラネアオイの他山野草が花を付けている。



藪の先は草原が広がる。木道がガスに吸い込まれていく。



幻想的な草原の風景。スッキリと晴れ渡る日は今日の景色とは違う魅力が味わえるのだろう。



天狗ノ庭。雨には降られないものの、雲はとれずじまい。



期待していたヒメサユリがあちこちで咲いている。可憐なピンク色が漂う白さに滲んで見える。



気が付けば山頂。
周りの景色は全く見られないものの、明日以降のお楽しみとしよう。



今回は初夏のブナの森を楽しめたが、秋の盛りの森はきっと色彩に溢れた光景だろうと想像できる。また違った魅力を堪能しに、きっといつか訪れたい。

(終わり)