心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

浅草岳の宿泊、「やまかのうや」。

2018-06-27 21:00:00 | 山の宿
今回の浅草岳への山旅。
浅草岳自体は日帰り登山が充分
可能な山だが、なにせ長距離遠征の山に加えて、いくつもの登山ルートをまとめて踏破してしまおうと考えた今回の山旅。

登山口でのテント泊も考えたが、登山口の状況がよく分からないので、登山口に近いところに宿泊しよう、と選んだのは民宿「やまかのうや」。

只見という所に行くのはもちろん初めて。というより、福島県の地を踏むのは人生初という事にはたと気付く。

こちらの宿を選んだ理由はというと、登山口に近いのが第一。
そしてどぶろくを作っているというのが第二の理由。普段お酒は全然飲まないけれど、色々な民宿がある中でどぶろくを作っている宿なんて聞いた事がないから興味津々。
果たしてどんな宿なのだろうか。


約6時間のロングドライブを経てこちらの宿に到着。
静かな集落に佇む建物。



玄関をくぐるとまるで遠い親戚の家に来たかの様な親近感を覚える。



窓からの眺めは初めての景色なのに何処か記憶の片隅にあったようだけどと思える。
流れる地域放送も、水の流れの音も心地良いBGM。



部屋はシンプル。窓から入る風が気持ち良い。



「お風呂入れますよ。」と言われ、一番風呂に入らせてもらう。一人サイズのお風呂なので気兼ねなくノンビリと湯船につかれる。
窓からは裏山の景色が見える。



食事の広間。飾らない、どっしりとした造り。人様の家とは思えずすっかりと寛いでしまった。



一泊目の夕餉。山の幸の恵みを味わえる。派手さは無いものの、山菜、きのこの山の幸が美味しく、この宿を選んで良かったとしみじみ感じながら、箸を運ぶ。



二泊目の夕食。どの品ももちろん美味しいが、特にお薦めなのは鹿肉の肉ジャガ。鹿肉はクセがなく、ゴボウが入っていて、ゴボウがいい味を出している。家庭料理なのに新鮮な驚きだった。



そして、ドブロク。酒の良し悪しは分からないが、甘めで口当たりがよく、飲み終えた後余韻が残る。暑い季節にピッタリかも。



三日目の朝、行き違いからかおにぎり弁当が用意されてなかったが、昨晩お腹いっぱい食べたせいでお腹が空いてなかったし、宿の方を起こすのも忍びないのでそのまま出発すると、わざわざ届けてくれ、登山口まで送ってくれた。
客商売の対応というより、家族の応対のような気遣いにジーンときた。
こういう宿は愛着が湧き、記憶に深く残る。
故郷に帰るようにまたいつか泊まりに行くことだろう。いや、またいつかと言わず、秋ブナの色付く頃に是非再訪したい。

(終わり)