池辺の新作は12月に金沢で初演された。「鹿鳴館」後すぐに着手されようだ。
事前にリサーチしなかったので原作のボリュームから70分程度の一幕もの室内歌劇と思っていたら2時間を越える大作だった。
前作のように音楽が言葉を邪魔するといった印象はないが、台本は泉鏡花の世界をどこまで再現していたのかは疑問に思った。終景前の女のアリアはオペラの体面を保つために必要だったのだろうが文芸ものの台本に謎解き、解説、解釈は似合わないと思う。
女の沢崎は声量的にやや物足りなさを感じたが艶っぽさは魅力。
その他旋律線が難しいのか、練習不足なのか言葉が回りきっていない歌手が散見されたのが残念。演出・装置は初演としてはきっちりまとまっていたと思うが、新しいプロダクションでは特に前半部分など大胆な読み替えを行えば面白いものができそうな気がする。
それはそうと、高野聖くらいちゃんと読めるようにしておくれ、
ぴ:「・・・公演の確認いたします。 たかのたかし 1月21日 新国立劇場中劇場・・・」
あ:「。。。。ぁ はい。はい。」
その昔「しゅうぜんじものがたり」のお客様とよばれたこともあったなあ。。。