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今日は朝から雪。
仕事部屋が寒いのと、なんだか気が乗らなかったのもあり、仕事はOFFにしてしまいました。
午前中は以前に買っていた文庫を読むことに。
あまり頭を使わない、軽く読める本を。
中学2年生という多感な時期の少年を主人公に、その友人や親との関わり、大人の価値観とそれを簡単には受け入れられない思春期特有の心理が描かれています。
大人になるにつれて「世の中では真面目に純粋に生きることはできない、それを手放すことが大人になることだ」という事をなんとなく感じながら色んなものを手放していったりするわけですが、その「手放したもの」の中に、人間にとって大切なものが入っているのだろうな、そんなことを思わされました。
「中二病」という言葉があるように、大人になってから青臭いことを言っていると嘲笑されたりすることもありますし、自分の心の方向を自分自身がきちんと感じ取って、人間本来の持つ「正しさを追求する」ことを渇望するのは、確かに生きにくさを感じることだと思います。
ただ、他人が何を言おうが守る価値のあるものは存在しているのであって、それは多数決でも一般常識でも測れるものではないし、そういうモノサシとは違った次元のところに大事なものはあるんじゃないのかなと。
読み始めた時は、もはや中学生の主人公たちに感情移入なんかできないのでは?と思ったりもしたのですが、作者の表現力なのか、全くそんなことはありませんでした。
まぁ自分自身、中二病的なところがあるので余計かな。
タイトル:スポットライトをぼくらに
作:あさのあつこ
評価:★★★★☆(5点中3.5点)