キリスト新聞に原作者の
インタビューが掲載されていたので興味がわいてKindleで購入してみました。
結論から言いますと、最後まで読むことができませんでした・・・。
先のインタビューからは、作者がキリスト教に対し真摯な気持ちで執筆したこと、自らも聖書を何千回も(!!??)読んだと豪語していることから期待していたのですが・・・。
カトリックを題材にしていながら、その描写は不正確な部分があまりに多いため気になって読み進められなかった、というのが正直なところです。
例えばカトリックをカソリックと表記していたり、教皇を法王、単に「派閥」と書いてあるのは修道会のことだし、「「シトー会」や「トラピスト会」」と書いてあるけれど、これは同じ修道会ですよ・・・。
名前などの表記も、現在のカトリックでは新共同訳聖書を使っているのでそれに倣うべきでは?・・・などなど。
そして、ミサでは「旧約聖書の朗読」→「答唱詩編」→「パウロの手紙」→「福音書の朗読」と進んで、その次にようやく説教なのですが、「旧約聖書の朗読を終えると説教を始めた」と乱暴な書き方。ミサの定型文も全然違っているし・・・。
枝葉末節と言ってしまえばそれまでですが、あまりに突っ込みどころが多すぎてギブアップでした。
宗教的な題材を中途半端な知識で書くとこうなってしまうのだな、というのがよくわかる例ですね。
せめてカトリックのどなたかに監修をお願いすべきだったように思います。
まぁ、日本ではカトリック信者はわずかですから、それ以外の人たちを対象にした娯楽小説としてならいいのかもしれませんね。