白いノート~アラフィフ南天の備忘録

50代半ばを過ぎました。日々気づいた事を忘れないよう書き留めていきます。

言われた事を言われたとおりにやってみる

2010-07-22 00:09:18 | 介護の仕事
以前も書いたけれど、利用者のSゑさん、97歳女性
このところめっきり弱られて・・・・・
大好きなご飯を食べる事を忘れてしまわれました。

《食べる》という行為を忘れた
スプーンを持ち、それを口に運ぶ途中に寝てしまうのです。
でも介助すれば、口を大きく開き食べ物が口に入れば噛むことはできます。
噛む・・と言ってもお粥やミキサーした食材をプリン状に固めたなめらか食ですが。

介助してしまえば簡単なのです。
時間もかからない。

でも
自分が食べ物を見て、食べ物と認識し、手が動いて、食べ物を箸やスプーンでつまみ
それを口に運び、咀嚼する
これが大切。

私たちだって何の前触れもなく、喉の物を入れられたらむせると思うのです。

誤嚥性肺炎予防の為にも、意欲という面でも自分で食べる事はとても大切。

蘊蓄はさておき
そんなSゑさんの食介は困難
代わる代わるやってみるけど、なかなか成功しない。

でも管理者Yさんは成功率が高いのです。
側で見てその技を盗む事に。
更に伝授してもらいました。

Y『Sゑさんが目を開くのはほんの10秒、短時間で伝え理解させ食べてもらう事を
目標にしてください』

手順
①スプーンにひとくち分食べ物を載せておく
②Sゑさんが見える位置にその器を持ち、寝ているSゑさんを起こす
③『Sゑさん起きて!目を開けて』
④『持って!』と声がけしてスプーンを渡す
⑤『食べて!』

これで成功率が上がります

『Sゑさん、起きて~ご飯だよ~食べて~美味しそうだよ~』
これはNG!
余分な言葉が入ると時間がかかりすぐ目を閉じてしまわれます

『Sゑさん、起きて!○○Sゑさん!○○Sゑさんってば起きてーーーー!』
これもNG!
イライラしたスタッフの感情が出てはいけません
周りの利用者さんから『おお怖っ』という声が・・・・・(>_<)


Sゑさんにスプーンを持ってもらい、自分の手で口に運んでもらう
ひとくち、ひとくち、その繰り返しなので非常に根気が要りますが
とりあえずこの成功例を試す価値はあります。

それでも目を開けてくれないと・・・・・・
根負け・・・・

『Sゑさ~~~ん、食べようよ~元気出ないよ~』と余計な言葉が出てしまう

Sゑさんはとっても耳が遠いのでため息混じりの言葉は聞こえるはずもなく
結局周りの利用者さんがうんざり・・・という結果に

言われた事を言われたとおりにやる事、できる事って難しい。
でもそれが身についてこそ技術。

Yさんは特に大きい声を出しているわけではない。
伝え方のツボを熟知しているのでしょうね

それと
Sゑさんにとっての《食べる》事への大切さを実感もしている

プロの仕事をせねばね。。。。。私も