真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

観光地に被災者を受け入れて、観光関係の損失と被災者双方を助けよう!

2011-03-21 21:41:59 | Weblog
放射能の被ばく量。

「通常の安全基準を、非常時なので緩和する」
聞こえはいい。しかし、
「では通常の基準は、大げさなのか?」
と、誰もが思う。

そしてもっと大事な視点は、
その大幅に緩和されてしまった基準の中で、現に、
自衛隊や消防、あるいは東電の関係者が、懸命の作業を続けている、
ということである。

「非常時だから仕方がない」

というのは、当事者だけが口にできる言葉だという気がしてならない。
心の底から、自衛隊、消防、警察、医療関係者に敬意を表したい。

さて。
いま多くの人が感じていることを、簡単に言えば、
「なぜもっと柔軟に対応できないのか?」
ということではないか。

「物資はあるある」と叫んでいるが、「届かない!」と悲鳴を上げる被災地の映像が毎日流れ、あるいは個人的に支援を求めるメールが私のところにも来る。
つまり、政府発表と国民の実感に明らかな差があるのである。

ようやく政府の支援体制は整ってきたが、
例えば海外からのレスキュー隊が、効率的に作業をするための配置指示が来ないため、たいへんフラストレーションが溜まっているという。

が、今は、政府の無能ぶりを批判していても事態は進まない。

そこで、知人から有益な提案があったのでご紹介したい。

第1は、ヘリコプターでの物資落下である。
避難所や孤立住民に必要な物資をヘリコプターで上空から投げ落とす。

(1)ガソリンなどの燃料は難しいが、食料、医薬品、その他可能な物資をヘリに積む。
(2)落下地点はあらかじめ、報道ヘリを飛ばして映像と共に放送し、
   同時に上空から詳細を書いたチラシをまく。
(3)予定時刻に予定場所へ物資を落下。

なおその際、通信機材も落下させる。
また念のため、数字やアルファベットで必要物資がわかる一覧表も投下し、その記号を地面に大きく記せば、通信不通地域でもできるだけ必要物資が届けられるようになる。

第2の提案は、観光地での被災者受け入れ。

後方搬送されている方の多くは高齢者で、臨時の体育館型システムには無理がある。よって、たとえば、家族のようなきめ細かいお世話ができる各地の民宿に泊って戴く、というもの。

地震の影響で、被災していない近隣観光地では大幅な客数の減少があり、死活問題にもなっている。政府がお金を出せば、被災者も、観光地も、両方助かる。

この案を考えた方は、

「菅総理大臣が、『ひとり1日、いくらで引き受けてくれ』と宣言すれば、後方搬送が進みます。しかも、体育館型システムと異なり、社会でお金が回ります」

と言っている。私も大賛成である。

くだらない演説や、わかりきっている節約の説教を垂れるヒマがあるなら、こうした知恵を出し合って、有効で具体的な策を出してはどうか。
そうすれば国民は、官房長官や首相の会見を、疑心暗鬼ではなく、
「今度はどんな素晴らしい策を出してくれるのか」
と、期待をもって見ることができる。

もし政府がやらないのなら、ぜひ野党がマスコミに向けて発表してほしい。
政府批判や、ただ「震災対策については協力する」では、
野党の役割を十分果たしているとは言えまい。





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