真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

明治天皇と菅直人

2011-03-22 18:17:14 | Weblog
「視察に行く?」っていうと、「視察に行く」っていう。

「原子力に詳しい?」っていうと、「原子力に詳しい」っていう。

「決死の覚悟?」っていうと、「決死の覚悟」っていう。

「それじゃあ、視察に行く?」っていうと、「雨なのでやめます」っていう。

こだまでしょうか。

いいえ、菅直人です。


知人が考えた某CMの詩の改作である。

「ヘリコプター離着陸が困難になったため」、現地視察中止というミエミエの言いわけ。
「首相が現地入りすると、かえって震災対策・被災者支援にあたる現地当局の負担を増す」という批判が閣内であったという。そんなことはわかりきっているのに、強行しようとした菅氏の頭の中はどうなっているのか。
行かなかった本当の理由は、現地で避難民から批判される映像を撮られたらまずい、という話も聞いた。

いずれにしても、自分が見に行く前に、全体を把握するシステム構築に努めてはどうか。
こんな総理なら、居ても居なくても一緒。
そんなに現場に行きたいのなら、視察ではなくずっと避難所にいて、
あるいは福島の原発の現場にいてもいいのではないか。

さて。
東京消防庁のレスキュー隊に
「言う通りにしないと、処分するぞ!」
と暴言を吐いたのは誰か。

おそらく、海江田大臣の意を汲んだ小役人だろう。
海江田氏が口をつぐんでいるので、よほどひどい内容だったのだろうが、詳細はわからない。いずれにしても、「おいッ、放水はどうなってんだ!」くらいの怒声を部下に浴びせて、それにビビった小役人が過剰に反応したのだろう。

繰り返すが、詳細は本人が言わないのでわからない。
さすが、都合の悪い事は発表しない東電の、監督官庁の長である。

役に立たない首相だが、もし福島の現場に居れば、海江田大臣も小役人もまさか首相に向かって、
「言うことをきかねば、処分するぞ!」
とは言えまい。
菅氏も、それくらいの役には立てるかもしれない。

いま、菅氏は一日中、安心・安全・暖かい首相官邸の中で、三食満足に食べながら、報告を受ける以外に何をしているのだろう。

明治天皇は日露戦争の最中、真夏にも、熱暑の兵を思って冬服をまとい、あるいは兵と同じ食事を取られていた。

明治帝のような徳まで求めはしないが、大臣や政治家はお得意のパフォーマンスでも構わないから、空虚な言葉、偉そうに国民への説教など垂れずに、せめてその生きざまを見せてはどうか。

現地を思う生活態度を見せれば、部下の役人が現地に対してバカな発言はすまい。

まあ、総理大臣が思いつきで衝動的にしか動けないのだから、あとは推して知るべし、か。





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