(添付写真は、VEPTRで手術を受けた女の子の手術前と手術後の写真です (米国))
Vertical Expandable Prosthetic titanium rib この言葉の頭文字をとって
VEPTR と呼びます。 日本語に訳すと、伸展式チタン人工肋骨 という感じになると
思います。
添付写真を見ていただくとおわかりになるように、通常の脊柱固定術が、脊柱を手術
するわけですから、当然背中の真ん中を切開して処置していくのに対して、こちらの
VEPTRの場合は、肋骨に取り付ける方法ですので、背中の脇腹のあたりを切開して処置
する、という方法になります。
左の術前写真が、かなり重度のカーブをしているのに対して、右の術後写真では、
側わんカーブ自体もまっすぐになっているのがわかります。変形した肋骨をVEPTR
によって拡張した力が脊柱のも働いて、曲がっていた脊柱も戻ってきた、という
感じではないかと思います。
ただし、VEPTR自体は、脊柱側わんを真っ直ぐにしようという目的のデバイスでは
ありません。肋骨癒合や肋骨欠損を伴った脊柱そくわん症のこどもは、そのまま
カーブが進行すると、どんどんと肺スペースが圧迫されて、肺が成長できずに、
肺炎等の呼吸器系統の病気が進行することになります。これを胸郭形成不全症候
と呼ぶのですが、この病態を改善する為に開発されたデバイスです。
FDAのサイトには、次のような文章が書かれています。
http://www.fda.gov/cdrh/mda/docs/h030009.html
* a more normal growth pattern without spinal growth limitations,
* decreased chest, spine and rib deformity,
* expanded lung volume,
* increased life span,
* decreased dependence on a supplemental air supply,
* increased physical activity capability, and
* improved psycho-social health.
*脊柱の成長を妨げることなく、より自然な体躯の成長に寄与する
*胸郭、脊柱、肋骨に生じている変形を減少(矯正)する
*肺容量を増大させる
*寿命をのばす
*それまで人工呼吸器などに依存していた状態を減少させる
*日常の活動性を増大させる
*精神面、対外面でのこころのケアにつながる
VEPTRはグローイングロッドと同様に、延伸させる構造になっています。
ですから、こどもの成長に合わせて約半年おきにロッドをのばす手術が必要となり
ますが、この機能により、こどもにとって大切な「成長を止めない」ということが
可能となります。
欧米では、新しい医薬品、医療機器が開発され、いままで治療できなかった病気、
いままで治療できずにいた患者さんを治療する方法が生まれています。
それがつねには完全ではないかもしれません。どこかに問題を抱えた治療である
かもしれません。そのために臨床試験とよばれる患者さんを対象とした試験を実施
して、その製品の有効性と安全性を確認し、その上に国の認可を得て、お医者さん
の手元に届けられているわけです。
多くの医薬品、医療機器は、そのように、つねに欧米のひとたちに先に試験して
もらい....それは、ある意味では人体実験的になるかもしれませんが....それから
日本に導入される、というパターンが続いています。
しかし、日本に導入されるといっても、それは欧米で使用されてから、数年以上も
たってから、ようやく厚生労働省の認可が降りる、というのが実態のようです。
あるいは、あまりに時間がかかりすぎるので、導入さえもされない医薬品、医療機器
もあるようです。ところが、同じアジアでも、お隣の韓国や中国では、欧米の新製品
が日本ほどには時間をおかずに、患者さんの治療に用いられています。
この差はいったい、何なのでしょうか ?
毎日のテレビ、新聞で医療に関するニュースを聞かない日はないほどです。
そのすべてが行政の責任ではないとしても、その多くが行政が解決すべき課題で
あり、解決できない場合の、ツケはすべて国民、つまり私たちに回ってくるという
悪循環に陥ってしまっています。
このVEPTRベプターは、そんな国民を巻き込むような、大それた問題とは違います
ほんの些細な、ひとつの病気治療に用いるちっぽけな医療機器です。でも、これに
よって助けられる命があることも事実です。
欧米ですでに臨床試験が終了しており、欧米ですでに数年にわたって臨床で使用
された実績があり、そして、側彎症学会等が臨床使用には注意を払うと述べている
そういう条件が整った製品を認可するのに、どうして、そんなに時間がかかるので
しょうか?
これは、ひとつの典型的なサンプルケースだと思います。
おそらく、医療現場では似たようなケースが数多く見つかるだろうと思います。
なぜ、日本だけが、日本人だけが、先進医療から取り残されてしまったのでしょう
非常に残念でなりません
Vertical Expandable Prosthetic titanium rib この言葉の頭文字をとって
VEPTR と呼びます。 日本語に訳すと、伸展式チタン人工肋骨 という感じになると
思います。
添付写真を見ていただくとおわかりになるように、通常の脊柱固定術が、脊柱を手術
するわけですから、当然背中の真ん中を切開して処置していくのに対して、こちらの
VEPTRの場合は、肋骨に取り付ける方法ですので、背中の脇腹のあたりを切開して処置
する、という方法になります。
左の術前写真が、かなり重度のカーブをしているのに対して、右の術後写真では、
側わんカーブ自体もまっすぐになっているのがわかります。変形した肋骨をVEPTR
によって拡張した力が脊柱のも働いて、曲がっていた脊柱も戻ってきた、という
感じではないかと思います。
ただし、VEPTR自体は、脊柱側わんを真っ直ぐにしようという目的のデバイスでは
ありません。肋骨癒合や肋骨欠損を伴った脊柱そくわん症のこどもは、そのまま
カーブが進行すると、どんどんと肺スペースが圧迫されて、肺が成長できずに、
肺炎等の呼吸器系統の病気が進行することになります。これを胸郭形成不全症候
と呼ぶのですが、この病態を改善する為に開発されたデバイスです。
FDAのサイトには、次のような文章が書かれています。
http://www.fda.gov/cdrh/mda/docs/h030009.html
* a more normal growth pattern without spinal growth limitations,
* decreased chest, spine and rib deformity,
* expanded lung volume,
* increased life span,
* decreased dependence on a supplemental air supply,
* increased physical activity capability, and
* improved psycho-social health.
*脊柱の成長を妨げることなく、より自然な体躯の成長に寄与する
*胸郭、脊柱、肋骨に生じている変形を減少(矯正)する
*肺容量を増大させる
*寿命をのばす
*それまで人工呼吸器などに依存していた状態を減少させる
*日常の活動性を増大させる
*精神面、対外面でのこころのケアにつながる
VEPTRはグローイングロッドと同様に、延伸させる構造になっています。
ですから、こどもの成長に合わせて約半年おきにロッドをのばす手術が必要となり
ますが、この機能により、こどもにとって大切な「成長を止めない」ということが
可能となります。
欧米では、新しい医薬品、医療機器が開発され、いままで治療できなかった病気、
いままで治療できずにいた患者さんを治療する方法が生まれています。
それがつねには完全ではないかもしれません。どこかに問題を抱えた治療である
かもしれません。そのために臨床試験とよばれる患者さんを対象とした試験を実施
して、その製品の有効性と安全性を確認し、その上に国の認可を得て、お医者さん
の手元に届けられているわけです。
多くの医薬品、医療機器は、そのように、つねに欧米のひとたちに先に試験して
もらい....それは、ある意味では人体実験的になるかもしれませんが....それから
日本に導入される、というパターンが続いています。
しかし、日本に導入されるといっても、それは欧米で使用されてから、数年以上も
たってから、ようやく厚生労働省の認可が降りる、というのが実態のようです。
あるいは、あまりに時間がかかりすぎるので、導入さえもされない医薬品、医療機器
もあるようです。ところが、同じアジアでも、お隣の韓国や中国では、欧米の新製品
が日本ほどには時間をおかずに、患者さんの治療に用いられています。
この差はいったい、何なのでしょうか ?
毎日のテレビ、新聞で医療に関するニュースを聞かない日はないほどです。
そのすべてが行政の責任ではないとしても、その多くが行政が解決すべき課題で
あり、解決できない場合の、ツケはすべて国民、つまり私たちに回ってくるという
悪循環に陥ってしまっています。
このVEPTRベプターは、そんな国民を巻き込むような、大それた問題とは違います
ほんの些細な、ひとつの病気治療に用いるちっぽけな医療機器です。でも、これに
よって助けられる命があることも事実です。
欧米ですでに臨床試験が終了しており、欧米ですでに数年にわたって臨床で使用
された実績があり、そして、側彎症学会等が臨床使用には注意を払うと述べている
そういう条件が整った製品を認可するのに、どうして、そんなに時間がかかるので
しょうか?
これは、ひとつの典型的なサンプルケースだと思います。
おそらく、医療現場では似たようなケースが数多く見つかるだろうと思います。
なぜ、日本だけが、日本人だけが、先進医療から取り残されてしまったのでしょう
非常に残念でなりません