メーガン妃VS.カミラ夫人。「女の知性と品格」が分かる、バッシング対応
パラダイムシフトの今、「美の価値観」を刷新し続けてきた美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが、注目したいある視点をピックアップします。 【写真】「推定総額約760万円」メーガン夫人のNY訪問ファッション お騒がせ行動が断続的に続いているメーガン妃。でも、いくらバッシングされても力強く生きている強心臓の持ち主として、決して負けていないのが、カミラ夫人。ある視点から2人の関係、あるいは2人の違いを解き明かすと、そこにはなかなかの学びがあったのです。
英国で最も嫌われた女
「面白い」と言ったら不謹慎でしょうか。どんなにバッシングを受けても力強く生きていく、強心臓の持ち主として双璧をなす“2人の女性”の対比は、やたらに興味をそそります。 メーガン妃と、カミラ夫人。2人の関係性について伝える報道はそう多くないものの、ある視点から2人の関係、あるいは2人の違いを解き明かすと、なかなかの学びとなるのです。
ちなみにキャサリン妃とメーガン妃では、今や韓国ドラマのヒロインと敵役、コントラストが強すぎて考察にならないけれど、どちらもヒール役と言うあたり、メーガンウォッチャーとしてはわざわざ対峙させたくなる乙な組み合わせ。
ご存じのようにカミラ夫人は、結婚当時からダイアナ元妃を苦しませ、元妃の壮絶な死のあと2年は鳴りを潜めていたものの、結局はチャールズ皇太子の妻におさまるという、なかなかの鉄面皮。 案の定強烈なバッシングに晒されて「英国で最も嫌われた女」と称され、淡々と公務をこなすも、衰えぬダイアナ妃人気の裏で、カミラアレルギーの人は一向に減る気配を見せません。 そんな中でメーガン妃の登場、当初はカミラ夫人が色々アドバイスするなど、関係は良好だったとか。離婚経験者である上にアメリカ人という不安材料を持つメーガン妃に、ある種のシンパシーを感じたということでしょうか。 しかし、ヘンリー王子夫妻の王室離脱、そして今年春のロングインタビュー、さらにはこれから出ると言う暴露本、全てが夫チャールズ皇太子への致命的な裏切り。必然的に関係は最悪となったはずですが、1つだけカミラ夫人に好都合だったことが。それは、最悪だった好感度が、少し上がったこと……。
なぜチャールズ皇太子を虜にしたか?
世の中面白いもので、新たな敵を見つけると、それまでの敵には関心を失いますが、無理に比較して「まだマシ」という判断になるのか、カミラは王室メンバーにおける人気ランキング最下位から脱出しただけでなく、好感度を上げたのです。 確かに、メーガン妃の傲慢に比べれば、カミラ夫人の我の通し方は一本スジが通っていると言えなくもありません。世界中が非難する不倫を貫き、半世紀にわたる愛を実らせたのですから。今や発言は極めて真っ当で物議を醸すこともなく、主にファッションで株を上げる無難な生き方は、ひたすら夫を支える妻、と写ります。 ただ正直を言えば、チャールズ皇太子がなぜカミラ夫人にそこまで執着したのか、そこは今も全く腑に落ちず、誰か説明して! とお願いしたいほど。ところが大人気ドラマ「ザ・クラウン」を見て初めて、じつは少しだけ理解できる気がしたのです。 このドラマ、どこまで事実に基づいたものなのかは不明、ただ周りの証言等を得た末の脚色なら、カミラ夫人は極めてウィットに富んだ会話ができ、周りを楽しませる人。若き日の皇太子は恋の手ほどきもしてくれるこの年上の女性に、完全に溺れていきます。その気持ちを知りながら当時社交界の花形だったパーカーボウルズ大尉と結婚してしまうカミラは、余計に意のままにならない魅力的な女性に写ったはず。 対して、ダイアナ元妃は純粋で幼くナイーブすぎました。 のちの国王という、常人にはわからない深く重い不安を抱く皇太子を支えらえるのは、機知に富む大人の女、カミラ夫人以外存在しなかったということでしょうか。 ダイアナがお妃候補になったときも、「あの子なら大丈夫。自分たちの関係を脅かさない」との会話があったとか。あまりに残酷ですが、要は女が何枚も上。本妻だから何? お妃が何? 我々の理解を超える自信と、結婚など超越した相互理解があったと言うほかないのです。
打って出る場所を間違えたメーガン
一方のメーガン妃の結婚の目的は、夫を支えるより、自分自身が“世に打って出る”こと。だからおとなしく2番手に甘んじることにアッという間に嫌気がさし、バッシングも激化、ならば少し離れたところから反撃の狼煙を上げようとしたわけですが、野望と妄想が相まって、自分を第二のダイアナ妃にしたいと目論んだのが大間違い。 自分たちが主役となる新作ドラマでは、冒頭にヒロイン=メーガン妃が大事故に遭う場面が夢の一部として描かれ、誰が見てもダイアナ妃の不慮の事故を想起させることで、大顰蹙(だいひんしゅく)を買ったと言われます。 ただ何かにつけて思い出すのは、メーガン妃の少女時代にまつわるこんな逸話。「女性の居場所は台所」と言うコピーの家電CMに12歳のメーガンが「女性差別だ」と噛み付き、当時弁護士だったヒラリー夫人に手紙を書いて、CMコピーを変えさせているのです。 まさに子どもの頃から社会と戦う女だったわけで、敵を作って燃えるタイプ。だから、ただの傲慢とは違うのかもしれません。おそらく大統領になりたいと言う野望も何割かは本物でしょう。しかしテレビ女優のままでは虚しい距離がありすぎ。そこにヘンリー王子が現れ、ここぞとばかり飛びついたという物語は、ちょっと出来過ぎ。 とは言え、世に打って出た場所が皇室だったのは誤算と言うほかありません。政治的な主張は難しく、誠実な奉仕の精神を求められるばかりだったからこそ、暴れだしたのではなかったかと。 その手段として彼女は、自分を被害者にすることで社会にメッセージを送ると言う方法をとるわけですが、世界最強の王室を悪者にする、その手法もまた大間違いだったと言うほかありません。 だって誰が考えても被害者じゃないもの。本当に差別があるなら皇室には入れなかったはず。キャサリン妃でさえ平民出身であることで、結婚を潰そうという動きがあったのです。そもそもがメーガン嬢ほどラッキーな女性はいないほど。なのにそれには全く気付かずに、さらに多くを求めたことで、計画に狂いが生じたと気付くべきなのです。
人のせいにせず、自分のせいにすること
その点、カミラ夫人は自分が加害者であることを、おそらく今も自覚していて、だからどんなバッシングにも反論しないのです。「ザ・クラウン」にも明らかなように英王室の歴史は不倫と裏切りの歴史。本当に罪深いと思っているのかどうか………でも何一つ言い訳しないのは、英国貴族のせめてもの誇り? そこがなんともあざとくて素晴らしい。 最近も「ヘンリー王子夫妻がいなくなって寂しいですか?」という意地悪な質問に、不自然な間をあけてから「もちろん」と答えて、その含みのある対応がネットで高評価を受けたばかり。立場的には姑、ダイアナ元妃に自らをダブらせる厚顔な嫁に対して腹立たしさを覚えないわけは無いのに、賢者は黙して語らず。反比例するようにカミラ夫人を持ち上げる記事が増えていて、この勝負、やはりカミラ夫人の勝ち、なのでしょう。 もちろん、ただ黙っていることが良いわけはないし、カミラ夫人の沈黙には百戦錬磨の匂いが漂うものの、この人のこなれた知性が最後に勝ってしまうのは、英国的な物の道理と言うほかないのです。 逆に何が何でも自分を被害者と言い張るメーガン妃は、まるで英国自体が彼女を虐げたような言い方になって、いつの間にか一国を敵に回していました。人のせいにするほどに敵は増えるのです。むしろ多くの問題を“自分のせい”にすることが、自らを救うことに1日も早く気づくべきなのに。 実際、人のせいにするほうが気分が良いと思いがちですが、実は逆。思い切って自分のせいにした方が清々しいし、たちまち精神が浄化されるほど、メリットは大きいのです。 いずれにせよ、全てを人のせいと考える思考回路になると、何も反省できない精神性ができあがり、これは人間にとって最も不幸なこと。自分を追い込んでいくのは、自分に非はないと言う考え方、それに尽きるのです。2人の対比でそれが明快に見えてきた、とは言えないでしょうか。 少なくとも、誰のせいにもしない生き方は、人間の尊厳に値するもの。ひょっとしたら人間のメンタリティーで、1番尊いかもしれないこと。つまり自分のせいにできる人だけが、人生を正しく前に進めていけるのです。 だからせいぜい、自分のせいに致しましょう。 相手に非がある場合も自分にいけないところはなかったか? と問うべきなのです。他でもない、自らの幸せのために! 王室にインスパイアされる 美容はエキサイティング!
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