2023/06/01 11:00
5月、ニューヨークで式典に参加するヘンリー王子とメーガンさん(写真・Backgrid/アフロ)(AERA dot.)
5月6日、国王チャールズ3世(74)の戴冠式が執り行われた。規模は縮小されたが、歴史と伝統を尊重した荘厳な式であった。国王に続いて、王位継承順位1位のウィリアム皇太子(40)と2位のジョージ王子(9)を国民の前に示して、王室の継続性と安定性をアピールした。
王室の慶事に暗い影を落としたのは、ヘンリー王子(38)だった。わずか28時間ほどの滞在で、他の王族との交流も深めず、まるで逃げるようにアメリカに帰った。
それなら妻子と合流した王子はさぞ幸せであるかというと、聞こえてくる話はそうではない。
いつでも手を握り腕を絡ませる王子とメーガンさん(41)だったのに、風向きが少々変わってきたようなのだ。
5月19日は2人の5回目の結婚記念日だった。アツアツの写真やコメントを予想する向きも多かったが、何も出てこなかった。メーガンさんの戴冠式欠席の理由は、アーチー王子の4歳の誕生日を祝うためとされた。
しかし、パパとママと妹リリベット王女(1)に囲まれた彼の笑顔を見ることはなかった。戴冠式翌日に目に飛び込んできたのは、メーガンさんが、イギリスから帰国しているはずのヘンリー王子とではなく、友人やボディーガードとハイキングする姿だった。
5月20日、イギリスのタブロイド紙は、ヘンリー王子は自宅近くの高級ホテルにメーガンさん抜きで利用する秘密の部屋をキープしていると報じた。「王子は、ここをメーガンさんからの逃げ場と考えている」との説明だ。
またさらに、会員制クラブ、サン・ヴィセンテ・バンガローズにも王子は頻繁に通う。バリーズ・ブートキャンプで汗を流した後は決まって立ち寄る。
プライバシーが究極の贅沢とうたうクラブハウスには、写真撮影禁止など厳格なポリシーがある。
王子は「隠れ家」を少なくとも2カ所持つとのニュースが広がると、夫妻の広報担当者があわてて否定した。
一方、メーガンさんは仕事にまい進する。ネットフリックスで王室生活をテーマにした長編映画を制作する意欲を見せているのだ。
以前に生い立ちをもとにしたアニメーション「パール」をネットフリックスから公開しようとしたが、中止になった。やはりネットフリックスは英王室の裏話を生々しく明かしてほしいし、メーガンさんもそれに応えたい。
しかし、ヘンリー王子は必ずしも賛成していない。むしろイギリスに家族で帰る希望さえ持つという。
そもそも王子夫妻が2018年に結婚したとき、イギリスのメディアから「3年持つはずがない」と言われた。
結婚2年足らずで王室離脱、オプラ・ウィンフリーさんのインタビューを受け、「ハリー&メーガン」のドキュメンタリー番組を公開し、ヘンリー王子は暴露本『スペア』を出版した。
いずれもテーマは英王室批判で、それによる収入も莫大だ。こうしたことから二人の人気はイギリスはもとより、アメリカでも凋落傾向にある。
しかしメーガンさんは、しぶるヘンリー王子を置きざりにしてでもさらにスーパースターへの道を駆け上がりたい。先日は、大手エージェンシーのウィリアム・モリス・エンデヴァーと契約、芸能活動などに力を入れていく。
メーガンさん担当とされるCEOアリ・エマニュエル氏の兄は、オバマ元米大統領の首席補佐官で元シカゴ市長、現在の駐日大使だ。政界進出の夢を捨てていないメーガンさんにとっては重要なコネになる可能性がある。
自分には公爵夫人、子どもたちには王子と王女の称号を得た。もう、ヘンリー王子は必ずしも必要がないのかもしれない。夫妻の目指す方向には徐々にずれが生じている。
メーガンさんが前夫に離婚を告げる際は、封筒に婚約・結婚指輪を入れて送り付け、それきりだった。
父親との関係もそうだ。心臓病で緊急手術を受けようと、「孫と会いたい」と繰り返そうと、関係修復の姿勢を見せない。メーガンさんは、英王室に入るときに閉鎖したブログ「ティグ」を再開する予定だ。
ヘンリー王子と出会う前のティグには次のような言葉がつづられている。「自分を完成させるのに他人は必要ない。自分一人で十分だ」。ヘンリー王子とメーガンさんの不仲説は、離婚へと突き進むのだろうか。
(ジャーナリスト・多賀幹子)
※AERAオンライン限定記事
6/1(木) 8:56配信
ヘンリー王子(左)とメーガン妃(2019年6月28日撮影)
夫婦仲の危機がささやかれる英国のヘンリー王子(38)が、離婚を専門とする弁護士を雇ったと報じられた。
ロイヤルファミリーと親交があり、王室に関する本も出版しているジャーナリストのレディ・コリン・キャンベル氏が、英GBニュースで「信頼できる5人の情報筋」からの話として、王子が数カ月前に数人の弁護士に電話をして離婚の相談をしたと明かした。
慈善活動の授賞式の場で 詳細については言及していないが、「しばらくの間、結婚生活に問題を抱えていたようだ」とコメント。
「もし結婚生活に本当の問題があっても、実際にそう見えますが、ヘンリー王子は著書の中で自身の過去の過ちや薬物使用について赤裸々に明かしているので、そこから抜け出すのにとても苦労するでしょう」と述べている。
また、王子が妻のメーガン妃から離れて一人になるためにホテルの部屋を借りていると英サン紙が報じたことについても言及し、最近は家族と暮らす米カリフォルニア州モンテシートの自宅ではなく、自宅近くのホテルやロサンゼルスの別のホテルで多くの時間を過ごしていると話した。
夫婦仲を巡っては、王室作家のアンジェラ・レビン氏もオーストラリアのスカイニュースで、距離が「遠くなり、広がっている」と述べているほか、王子の母であるダイアナ元妃の執事を10年間務めたポール・バレル氏もGBニュースに「メーガン妃に洗脳されていた王子が真実に目覚めた。今は子どものために結婚生活を続けているだけ」と述べ、将来の永久帰国の可能性に言及している。
夫妻は先月19日に結婚5周年を迎えたばかりだが、その数日前にニューヨークでパパラッチ集団に追跡されて2時間にわたるカーチェイスに巻き込まれ、あわや大惨事となるところだったと主張して物議を醸して以降、公の場に姿を見せていない。
(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
【関連記事】