今そこにいるものは、そこにいていい。
追い払わなくていい。
邪魔者扱いしなくていい。
そのものにとって、まわりにとって、
今必要だから、そこにいる。
いていいのだ。
去っていくものは、去っていっていい。
追いすがらなくていい。
縛っておかなくていい。
そのものにとって、まわりにとって、
必要だから、去っていく。
去っていっていいのだ。
そこにいることがうれしいときは、うれしがればいい。
憎らしいときは、憎らしがればいい。
去られて悲しいときは、悲しがればいい。
ほっとしたときは、ほっとすればいい。
その気持ちをなかったことにしないほうがいい。
口に出せなくてもいいから、
自分の中だけにとどめておけばいいから、
そのとき自分の中に芽生えたものを、
素直に認めたほうがいい。
そこから、自分が、
どこかに向かっていくことになるから。
いなかったものがそこにいること、
そこにいたもののが去ること。
その動きを通して、
動きの主体はもちろん、
まわりも、成長し、後退し、
そしてまた成長する。
その振り幅の中で、
人は、何かを思い、感じ、そして変わっていく。
最初からいたわけじゃない、
最初からいなかったわけじゃない。
いたものが、いなくなる。
いなかったものが、いるようになる。
そこに、何かがある。
だから、
そこにあるものは、尊い。
そこからいなくなったものは、尊い。