決心するには、
いろんな障害を乗り越えないといけない。
自分の中に芽生える、
いろんな迷い、苦しみと散々すったもんだしないといけない。
誰かを傷つけるかもしれない、というのが怖い。
自分が壊れてしまうかもしれない、というのが怖い。
大損をするかもしれない、というのが怖い。
将来を棒に振るかもしれない、
仕事を失うかもしれない、というのが怖い。
決心したことをいつか後悔するかもしれない、というのが怖い。
ああ、怖い、怖い、怖い。怖いよー。
怖いから、やっぱりやめておこう。
そんなに大きなリスクを払ってまで決心することでもない。
もし、そう素直に思えたのなら、そこで決心ゲームは終了。
勝ちでも負けでもない。
本当に決心するほどのことではなかったのだろう。
この判断をせず、突き進んだら、
それこそ後悔する可能性が高いだろうから、
やめられるものはやめたらいい。
でも、どうしてもあきらめきれない。
誰かを傷つけるかもしれないことも、
自分が壊れてしまうかもしれないことも、
しつこいくらいに頭の中でイメージし、その恐怖を心の中で擬似体験した。
ああもこうも悩んだ、苦しんだ、泣いた、
周囲に馬鹿にされた、呆れられた。
そして、その都度、それに見合った激しい感情を味わった。
それでも、だめだった。そうしたものを超えてきた。
結果として、自分の中に、あきらめきれないものが、
くっきりと、鮮やかに残ってしまった。
そして、気づいた。
それが、自分にとって一番大事なものだった。
本当に欲しいもの、成し遂げたいことだった。
それを得るためにできるのが、本当の決心なのだろう。
それが確信できたら、もうあせる必要はない。
ここまで来てしまったのだから、あとはもう、なるようになれ。
結果がどうあれ、自分はそこに向かうしかない。
別の選択肢はすべて捨ててしまったのだから。
自然にそう思えるはずだ。
そうしてやっと、じっくり、それに取り組む覚悟ができる。
一番大事なもの、本当に欲しいもの、成し遂げたいこと、
そこに本当の自分がいる。
本当の自分を見つけるのには、たくさんの血と涙を流さないとならない。
自分探しというのは、だから、そんなに生易しいものではない。
決心というのは、一朝一夕で実践できるものでもない。
実は本当に難しいのは、
得ることではない、成し遂げることでもない。
自分の中のあきらめられないものを探り当て、
それを得るために、成し遂げるために、
ゆるぎない決心を、固めるということのほうだ。
それができれば、
結果はおのずとついてくる。
そういうことなのかもしれない。