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『『反原発」の不都合な真実』 藤沢数希

2017年11月23日 | 読書

世の中には色々な考えがあるわけで、原発についても脱原発と推進派とがあるようで、ワタシは核など危険すぎるし安全にリサイクルできないので使うべきでないと思ってますが、推進派の考えも一応知っていた方がよろしかろうと、読書ログで紹介してもらった本を読んでみました。何でも、一方的に決めつけてはいけません。

「反原発」の不都合な真実(新潮新書)

【3.11以降、原発を絶対悪と決め付け、その廃絶こそが「正義」という論調がマスコミでは吹き荒れている。しかし、この世にリスクのない技術は存在しない。原子力を代替するはずの「自然エネルギー」の実力のみならず、転換するリスクや懸念材料を冷静に見つめるべきではないだろうか。そんな感情論を超えた議論のために、原子力技術、放射線と健康被害、経済的影響を検討し、将来を見据えたエネルギー政策を提言する。】

結論から言うと、やはり納得はできません。感情論ではなく冷静に見て。

読み始めてすぐに、著者は人間を数字で見ていると気がつきます。つくり出されるエネルギーの量と犠牲者(死者)との単純な比較(比率)で、危険性を論じてる。”単位エネルギーあたりの犠牲者の数”は原子力が一番少ないから、一番安全だと・・・。被爆者の”生活”や災害や健康被害の”大きさ”や被害の続く”時間の長さ”などは無視しています。

その方式に当てはめると、自動車より飛行機が安全で、(化石燃料の)大気汚染より原子力の方が安全だということになるらしい。年間死者数が格段に少ないからだそうです。数・・・ですか。

いやいや、どっちも危ないし。事故ったら、飛行機の方が被害が大きいでしょうし、
実際、福島に住めなくなった人がどれだけいるか。被爆した人も、当局は明らかにしませんが、かなりいるはず。そして、(初期対応を誤ると)それは何年も体を蝕み続ける。

確率で語るところも、個人がその事故で死ぬ確率ではなく、100人のうち何人がその事故で死ぬかを見ているだけです。それでなぜ「安全だ」と言い切れるのでしょうか。確率というのはあやふやなものです。しかも、死者数だけ。

どうしても、「化石燃料のほうが1000倍程度危険」など納得できない。

人間は数字じゃないし。机の上で計算するだけじゃ見えない現実がある。

数字上、少々?の犠牲は仕方がないって???
原発施設は核爆弾と化す可能性もあるのに。(著者はならないと言ってますが)
×年後の地球はどうなる???

短時間でたくさんのエネルギーを生み出すけど事故があれば100万年も害を及ぼし続けるものと、長時間かかってエネルギーは少なくて事故はたとえ回数あったとしても影響が少ないものと、どちらがより安全と言えるか。

しかも、比較の問題ではない。どちらも改善していくべきもの。

そして現実的に、より共存できるのはどちらか。

著者が根拠とするIAEAもWHOも人間の組織であり、完全には信用できない。(推進派らしいからね)

つっこみどころ満載で、読んでて疲れますが、自分の見方考え方を整理するのには役に立ちます。専門家ではないので難しい専門的なことは分からなくても、おかしいことはおかしいと感じます。読めば読むほど、原発は止めた方がいいと思うのです。

>飛行機も電車も、確かに動かせばたまに人が死にますが、それは正当化できると思います。なぜならば飛行機や電車による経済的な発展により救われる命は、事故の犠牲者の数に比べてはるかに多いと思うからです。

この考え方が共感できない・・・(また、数だ・・・
誰も死なないように事故を起こさないように改善しなきゃ!!!。金が儲かれば、助かる人がいるなら”少々”は死んでもいいってか??それを、人に言う?(自分は死んでもいいと言うならまだしも)

>経済と命にトレードオフの関係はなく、経済と命には強い正の相関があるということです。経済が強いほど、多くの国民の命を守れるのです。

どういう視点からモノを見ているのか、ということは大事です。経済中心の上から目線では国民は納得できないのではないでしょうか?経済のために原子力と共存したい??
国民は命だけでなく、本当は、平和で”心豊かな”暮らし(”お金豊か”なではなく)をしていきたいんじゃないかな。

必要以上に怖がるのも、ビクビクしながら生きるのも不幸だと思いますが、「安全だ」「クリーンだ」(比較的)という説明はどうしても納得いくものではありません。それは、日本の技術や人間性に対する過信ではないかと思えるのです。

風力や地熱、太陽光の自然エネルギーの問題点は確かにあるけれど、大気汚染の問題もあるけれど、だからといって原子力の方がいい、という話にはならない。電気代が安くなればいいのか?という問題でもありません。

問題は山積ですが、それぞれの問題はそれぞれ改善していくしかない。
さらに、原子力に”こだわる”必要はまったくないと思いました。(政府や原子力村にはあるのでしょうが・・・) 

 

あと、脱原発のコストが莫大だから(止められない)というのは方法論なので、どう止めていくかはアイデアを出していく必要があるでしょうね。目的と方法とは別に見なきゃ。(だからこそ止めるべきだとも言えるし、危険なモノをなぜわざわざ掘り出す?)


星3つ   
全く納得できませんでしたが、学びにはなりました。(著者は金融関係~外資系投資銀行で市場予測、リスク管理、経済分析に従事~の人でした。そういう視点なのですね。)

「核大国ニッポン」の著作のいいところは、世界(特にアメリカ)で取材して生の声をたくさん聴いているところです。そこには、現実があります。

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2 コメント

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数字 (都月満夫)
2017-11-23 15:23:10
そうです。
数字は一見合理的で正しいと思いがちですが、数字にはトリックがあります。
確率や平均の中には格差が含まれています。
それがあたかも正しいように数字を掲げる人間は信用できません^^
したっけ。
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都月さん、こんにちは。 (まる)
2017-11-23 16:42:17
「一切は苦」というのが真理ですから、楽ですよ~という言葉には安易に乗れません。悲観論でも楽観論でもなく、ありのままを見て、納得したいのです。でないと危ないですから。危ないモノは避けるのが当たり前ですからね。
数字なんて人間の頭の中のもの、人間の頭(脳みそ)ほどあてにならないものはないです。
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