【無数のかもめの群れが、われがちに食物のきれはしをついばんでいる。食べるため、生きるためのその騒ぎをよそに、ただ一羽、飛ぶ練習に夢中になっているかもめがいた。ジョナサン・リヴィングストンだ。なによりも飛ぶことが好きだったのである。やがて彼は、つぎつぎと新しい高度の飛行技術を習得していった。群れを追放された一羽のかもめの生き方を通して、自由な精神を貫き、ありのままの自分でいることの大切さを、文章と写真で描き出した名作。】
おお~。こ、これはお釈迦様の教えではないですか・・・
ただ食べるために生きる、餌をとることだけを考えて生きる?
いや、よりよく生きたい。自分の可能性を試してみたい。あらゆることから自由になりたい。
かもめのジョナサンは、解脱(悟りの境地)を目指してめっちゃ努力してる・・・・あなたは仏陀?
これって輪廻転生じゃないですか・・・
>われわれは無知から抜け出して自己を向上させることもできるし、知性と特殊技術をそなえた高等生物なのだと自認することも可能なのだ!われわれは自由になれる!いかに飛ぶかを学ぶことができる!
>学ぶこと、発見すること、そして自由になること
>やがてジョナサンは、カモメの一生があんなに短いのは、退屈と、恐怖と、怒りのせいだということを発見するにいたった。そして、その三つのものが彼の心から消え失せてしまったのち、彼は実に長くて素晴らしい生涯を送ることとなった。
>ここにいるほとんどの連中は、えらく長い時間をかけてここへやってきたのだよ。一つの世界から、それと大して変わりばえのしないもう一つの世界へ徐々に移ってきたんだ。そして自分らがどこからきたかということもすぐに忘れ、これから先どこへ向かっていくのかさえ考えずに、ただその時だけの事を考えて生きてきた。人生には、食うことや、争うことや、権力を奪いあったりすることなどより、はるかに大事なことがあったんだと、そうはじめて気づくようになるまでに、カモメたちはどれだけ永い歳月を経てこなければならなかったことか。
>天国とは、場所ではない。時間でもない。天国とはすなわち、完全なる境地のことなのだから
>われわれは自由なんだ。好きなところへ行き、ありのままの自分でいていいのさ
>わたしを神様にまつりあげたりさせんでくれよ。・・・・・わたしはカモメなんだ。わたしはただ飛ぶのが好きなんだ
普通に、ただ目の前の(食べる)ことだけ見て生きること、それはそれで悪くない。ただ生きている。それで精一杯だ満足だという人もいるだろう。今の自分に満足して生きるのならいい。“嫌々”じゃなければね。
けれど、自分は本当に満足できる人間か。足りないところがいっぱいの不完全な人間じゃないか。一度しかない人生ならば、自分の可能性を信じてよりよい自分をめざして生きる。そうすることで自分の人生をより豊かにすることもできるんじゃないかな・・・・って思う人もいる。それも、一つの生き方。
もう少し、元気出してがんばってみようかな。
そう思わせてくれる作品です。
星5つ
「かもめのジョナサン」って、当時のベストセラーでした。
タイトルに惹かれて読んだ覚えがあります。
五木寛之さんが訳されたので、仏教的な考えを持ち込まれたのかも知れませんね。
最近また最終版が出たようですが、以前のようにブームになりませんでした。
今の風潮には合っていないかも知れませんね。
私自身、この本の内容をまるっきり覚えていませんでした。
五木寛之さんって、仏教的な本(「親鸞」とか)を書かれてるけど、若い頃からそうだったのでしょうか。
親鸞は浄土真宗で、他力本願的な宗派(キリスト教に近い?)ですが、私はこの本を読んで初期仏教的かな、と思いました。
(超人思想だとレビューしている人がいましたが、そういう読み方もできるのか~と驚きました)
解説では、この本に違和感があるみたいなことを書かれてました。
最近の最終版での解説も読んでみたいです。