【なぜこの世に犬と猫がいるの?クモはカニの味がする?人間とモグラは祖先が同じ?生命には意味があり、すべてはつながっている。驚きながら読むうちに、生き物と人間が見えてくる。】
ちくまプリマー新書。
自然科学の知識というより生き物、自然界の見方のお話かな。野村さんは獣医だそうで、色々な動物と直接関わってられて一般人より客観的に観てますね。
”現代は地球始まって以来の、大量絶滅時代といわれている”そうです(一日800種類近く)。
>地球上にいる生命体の種族は皆、精密機械の部品のように、直接的、間接的に関連し合って成立している・・・・絶え間なく起こる小さな部品の欠落をどこかで食い止めないと、いつかは完全に、すべてのムーブメントが停止することになるのです。
と、警告されてます。
つながり、ネットワークの中で生きているわけですね。自然のネットワークを壊しちゃいけません。人間は壊しまくって自滅するかもしれませんね・・・。
”地球の生き物はみな同じ部品でできている”(命と炭素系の構造をもっている)ので、人間だけが特別、ということはありません。なので、”「人間と動物」というように、通常分けて考える常識は間違いであり、意味がない”。もちろん、”動物にも「心」がある”(野村さんは、知る機能ではなく、感情という意味で使ってるようです)。”植物にも「心的なもの」はあるだろうと考えられる”。
>脳が上等だからその動物が上等なのかというと、そうでもなくて、人間はたまたま必要だったから脳を発達させただけにすぎない。生物の世界では、目玉も爪も鼻も脳も、平等(ただの部品)。・・・鷹は50m離れたところから、新聞の文字が読めるほどの解像力のある眼球を持っている。脳がいいから偉いかといえば、そうではない。
>脳みそはいちばん利口だけど、やっていることが利口か愚かかということを考えると、人間がいちばんバカなんじゃないでしょうかね。(たしかに・・・)
>動物は人間を楽しませてくれるためにいるわけではありません。犬は自分のために生きてるし、猫も自分のために生きています。すべての動物は自分のために生きているのです。つまり地球上に存在するさまざまな生き物は、人間のためにあるのだと思ってはいけません。
>チワワを砂漠に放したら虐待だし、ライオンに首輪をつけたらかわいそう。
>家畜はみんな幼形成熟。精神的に一生子どもなんですね。一生独り立ちできないのです。・・・家畜(ペット含む)には面倒を見る人間が、とうぜん必要なのです。
(現実的に観ればそう。いろんな立場(野生、家畜、ペット)の動物がいるということ。人間の都合で家畜にされてしまったブタやウシたちは”将来を予測しない”ので普段はそれほど苦しんではないと言われるけど、虐待されてたりするし、殺されるときは苦痛で恐怖だと思う。人間も同じか・・・やっぱり人間のやることは動物けものと変わらないのか。なら、人間だって、何かのエサになっても文句は言えない。私は動物けものの生き方はしたくないけどなあ・・・。みんなは、このまま動物の生き方でいいと思ってるのかな?)
>地球上でいちばん成功している生物は昆虫・・・・むしろ、人間などは異端児。
カルシウム満点の外骨格生物を食べたければ(海起源の)カニ、エビ、またはクモ、サソリがおすすめ。(陸起源の節足動物)イナゴの佃煮はカルシウムではなく、糖の一種のクチクラ。糖分。…だって。
題名の答えは、、、サルが食いかけでエサを捨てる(本能)お陰で、他の生き物が助かっている、という自然界の仕組みがあるという話。
生き物、自然の仕組みから人間の生き方について、色々考えることができて面白い本だった。中高生向けで読みやすかったです。
星4つ
地球は人間だけのものではない。
分かっているのに、都合良く使っている。
それじゃダメだよね^^
したっけ。
なんでもリサイクルして修復して、自然をもっと大事にしなきゃね。^^