桜道

　日曜日に母の桜もある桜道へ出かける。
十数年前になるか？　町が募って山道の両側に桜を植えた。
母も応募して一本の桜に名札が付けられている。



母の樹は、すでに散り始めている。
車椅子を持って行かなかったので、回転シートで少し外に出た気分に・・・。

３年前までは、母と一緒に手入れに行っていた。
もう５年も前のこと、台風で母の桜が傾いた。
杭とロープを買ってつっかえ棒を立てようと出かけたが、私の力では無理で結局
甥を呼び出し樹を引き起こし杭に固定してもらった。

今はもうその杭も腐ってしまったが、桜はきちんと立っていてずい分と太くなっている。



丁度満開の樹もある。全部で何本あるのだろうか？　車でゆっくりと走って５分位で通り抜ける距離。

母は「桜は綺麗やね」とずっと見ている。
「来年はもう少し早くに来ようね」と云うと、複雑に笑う。
あと１２日で９４歳になる母、もし来年も今の状態で居れたら車椅子で散歩をしようと密かに思う。