母や妹達は
住民票を取ることから始め
少しずつ前へ進んでいこうとしています
ばらばらになった町の人達を
今度一緒の避難場所に集めるということになり
母は町のみんなと一緒に避難所にいると言っているので
会社のこともある妹は
その避難場所の近くにアパートを借りました
弟は実家の家から転々と落ちているという
仕事で使う資材を探し歩いたり
仕事先に行ったり
どっちが本職なのか分からなくなってしまったけれど
カメラマンの仕事をしたり
毎日忙しそうにしています
実家から300m以上離れた場所に
実家のまわり4、5軒の家が瓦礫の山になってあったそうで
初めに行った時に「見つけたんだよ」と弟がいうので
何を見つけたのか聞いたら
「お母さんの若いころの写真見つけたよ」
と言っていました
また何日か経って行った時にも
「お母さんの成人式の写真見つけたよ」といい
私も何度か見たことがある
母の箪笥の中にしまってあったアルバムに貼ってあった写真
なんだか父や祖父祖母が母を守ってくれていたような気がしました
弟の仕事で使うカメラバックもあったようですが
まったく使い物にならなくなってしまったので
ショック…でしょうね
でも歩いているとき卒業アルバムが落ちているのを見つけ
中を見てみたら自分のアルバムだったそうです
何か私にできることはと
荷物が局留めですが送れるようになり
下着や靴下、服や、母も身ひとつで逃げ何もないので
これから書類やいろいろ入れておくのに
主人が一生懸命悩みながら探してくれたバックを送りましたが
妹が笑いながら
「お母さんが、バックもったいなくて使えないよ
お出かけ用にしよう、って言ってたよ」
と言っていました。
「使ったらいいのね~」「そうだよね~」
妹とふたりで笑ってしまいました
弟が送ってくれた画像は
基礎だけになってしまった実家のあった所です
水たまりに見えるところが母屋のあったところ
奥に納屋があり
その奥にトラック置き場、資材置き場
見ているともうどんな建物だったのか
思い出せるような思い出せないような
不思議な感じですが
少し前まで住んでいた所が
一瞬に無くなってしまう
津波の怖さを思い知らされた画像です
この辺りはみんなこのようになってしまい
海からの砂で砂浜のようです