太った中年

日本男児たるもの

住宅分譲地の真実

2010-10-27 | weblog

さて奥さん、妻の実家到着3日目、妻の住宅分譲地を現地調査した。フィリピン妻はそう甘くなかった。まず、目の前に現れたのは住宅分譲地ではなく荒れた土地だった。しかも妻の住宅分譲地には廃屋と小さなプールがあった。この土地は今年3月、アンヘレスで外食レストランチェーンを営む叔母さんから買ったものだ。つまり、妻は金持ちのさん叔母から使わなくなって朽ち果てた別荘を買ったのだ。いきなり暗雲が垂れ込めた。



住宅分譲地のゲートに入ると開発計画の看板を掲げる案内所があった。これまた15年以上は過ぎた廃屋だ。看板を見ると300余のロット(1ロット90㎡が主、妻は4ロット、90㎡×4=360㎡の土地)があるからタウンが完成すれば100棟余の住宅が建ち並ぶはずだった。ところが市長名の公共事業とはいえ、総8ブロックの開発行為は途中で頓挫してゴーストタウン化した。タウン内の道路は2ブロックで止まっている。

 

タウン内は幹線道路に面して妻が購入した土地と同じブロックに建築中の家が2棟(両方とも日本人の爺さんがオーナーとの噂)、古い家が2棟(両方ともスクワッターらしき人が10人位住んでいる)、トタン屋根の家が4~5棟(道路がないので確認できない)点在していた。またブロック塀を途中まで囲って放置してある土地も何か所かあった。さらにタウン内の土地は手抜き造成工事のため至る所で地盤沈下している。酷いところは道路より1.5m以上陥没していた。日本男児たるものここで家を建て家族が暮らすには余程勇気と決断がいる。

 

境界確認をしながら見た妻の土地も地盤沈下している。したがって、ここで家を建て家族と暮らすことは別にして、まずは廃屋を解体撤去、土砂を入れて整地(ダンピング工事)をしなければならない。

その昔、日本のフィリピンパブで働くフィリピーナは、稼いだお金で家を建て(家のない子は家を建て親にプレゼント、家のある子は自分の家を持つ)、サリサリ(雑貨店)を経営することが夢だった。妻もまた然り。そして多くのフィリピーナは家もサリサリも夢は夢で終わった。妻もまた然り。

奥さん、叶わないから夢といい、当たらないから宝くじという。

つまり夢の宝くじサマージャンボ3億円は絶望を意味する。

しかし買ってハズれるのは当たり前なのに失望するのはこれいかに。

で、「こんなとこで家を建て、暮らすなんて、とんでもねぇ」つー現地調査の結果は胸に秘め、まだ夢を見ている妻には「まず、ダンピング工事をしなければどうしようもない、家のことはそれから」とだけ伝えた。

そして翌朝、隣村のフランシス君を訪ねる段取りをしてゴーストタウンを後にした。