現地調査の翌朝、散歩がてらフランシス君の家に向かう。妻の実家から徒歩30分、走っても30分。
妻の希望で建て替えをしているフランシス君の家を視察するためだ。
なんたって妻は2年前フランシス君と会ったときアーキテクチャー(建築士)ではなくエンジニアと紹介した。
家の建築なんてまったく興味のなかった妻であるが、いざ家を建てるとなると俄然、学習意欲が湧いた。
行く道で出会った子供。デジカメ片手に歩いてると「ピクチャー」といって寄ってくる。
フィリピン人は皆、写真を撮られることが好きだ。
朝からの勤労少年、なかなかのポギー(男前)。
通学中の子供たち。なかなかのマガンダ(美人)、ビコラーナ(ビコール地方の女性)は美人揃い。
彗星の如くフランシス君、登場。2年ぶりの再会。
フランシス君の実家は大地主のお百姓。日本でいうところの庄屋である。
2階建て、5ベットルームの豪邸を建築中なのだ。
まず、基礎工事について説明を受ける妻。地盤が悪いせいなのか全面セメントのベタ基礎。
続いて床スラブとブロック積みの壁。熱心に講義するフランシス君は妻と同じ年(26)。
ただ、近い将来姉弟の関係になる予定で、気の強い妻はフランシス君をパシリとしか思っていない。
フランシス君は30分くらい講義した後、最後に庄屋の息子らしく実家にある精米所をとにかく自慢。
フィリピン人を読み解くキーワードに「嫉妬」があるけど、それに「見栄」と「自慢」も共存する。
この日のお昼、妻の買った土地にあるバンブーハウスでミーティングすることを確認して別れる。
帰り道。右手は山、左手は海。山の奥にはマフィアと呼ばれる無法集団がいる、と妻が説明。山賊ですな。
集落入口のバンブーハウスに到着。「家を建てることは内緒」のハズだったが、近所の人に自慢する妻。
この日のうちにフランシス君の実家を訪ねたことが父52の耳に入りちょっとした波乱を巻き起こす。
奥さん、フィリピン人を読み解くキーワードには「噂話」(チスモーソ)もあるのだ。