太った中年

日本男児たるもの

家を建てるなら

2010-10-29 | weblog

妻の実家に到着して4日目。朝、フランシス君と会い、お昼に再び妻が買った土地にあるバンブーハウスでミーティングをした。マニラ・ミ-ティングでjet師範は「知り合いに家を頼むと予算の30%オーバー、ボッタクられる」と箴言してくれたが、ウータン問題同様、家造りもまたjet師範の予言通りの展開になるのか。

しかしながら、

妻は弟分でパシリのフランシス君が女王様の自分からボッタクリをするなんて夢にも思っていない。

「家なんてパシリのフランシスに任せれば充分よ、私の夢が叶う、ウッシッシ」

であるから、

気の強い妻はマニラ・ミ-ティングでのjet師範の予言を信じないばかりかまったく気にしてなかった。

それから奥さん、

別に隠していたワケじゃないけど妻の夫プリンスは日本で20年近く不動産業をやっていたので土地や建物ならフィリピンでも大体のことはわかる。それに前の彼女のときは家の建築に関わり、妻と出会う前はプリンス自身もコンドミニアムの購入を検討したこともあった。そのことはズーと前から妻に伝えてあった。

ミ-ティングはまず妻からフランシス君にそのことを教えた。フランシス君の講釈を聞くのもカッタルイ。

だから近くで建築中の家を指さし、

プリンス 「あんな感じの標準的な3ベッドルームの家でいい。予算1M(200万円位)で出来るの?」

フランシス「もちろんプリンス、おつりがありますよ。僕に任せて下さい。」

プリンス 「そうか、君に任せるのは妻の希望だ、いいだろう。君への報酬は1M×5%でいいか?」

いきなりフランシス君への報酬の切り出しに困惑したのは他ならぬ妻だった。最初にお金の話をするなんてマナー違反だと言った。どうも歯車が噛み合わない。妻へ設計士に家を依頼する場合、建築確認までの設計なら総額の3%、家の完成まで面倒みる設計管理なら5%という報酬基準があることを苦労して教えた。

フランシス君とは英語、妻とは英語、日本語、タガログ語チャンポンのやり取りだ。

フランシス「5%の報酬は多すぎます。僕への報酬は気持だけでいいですから。」

注意深く妻との会話を聞いていたフランシス君の返答に、そらみたことかと満足の笑みを浮かべた妻。

プリンス 「フーン、気持だけでいいのか。ならば設計管理はやってくれるの?」

フランシス「図面は僕が引きます。材料の発注や施工は紹介します。僕に任せて下さい。」

プリンス 「フーン、紹介ねぇ。設計だけなら君への報酬は3%となるがそれでいいのか?」

フランシス「プリンス、気持だけでいいのです。差額は家具や備品に充ててください」

再びフランシス君への報酬を口に出すと妻が「日本のシステムとは違う、気持だけでいいの」と言って会話を遮った。この時点で、まともな設計士とのミ-ティングではなくなった。しかし妻は、フランシス君に頼んでこそ安くていい家が建てられる、そう確信したようだった。フランシス君との会話はこれにて終了。

その後フランシス君は建物は道路の幅員に応じてセット・バックしなければならない等、基本的な説明を妻にして帰った。妻には約束の設計図面とダンピング工事だけフランシス君に発注するよう言った。

そして夕方、妻の実家へ戻ると朝、フランシス君の実家を訪問したことを聞きつけた父52が待っていた。

奥さん、長い1日はまだ終わりを告げないのである。