藤原経衡(つねひら)の後三条天皇大嘗祭和歌集に出ている歌は八首であると書いたのですが、後で「吉備群書集成」を捲ってみると、もう一首ありました。
それは、現在、玉島市の長尾にある句碑にも「後三条天皇、治暦四年大嘗祭備中国歌 藤原経衡」として彫りこまれています。
・遥かにぞ いま行末を思うべき
長尾の村の 長きためしに
です。
このように、天皇の大嘗祭の主基方の風俗歌としてたくさん吉備地方の山や川を中心にして作られています。大方は経衡のような歌人に託したようです。
中には、古今和歌集にある
・真金吹く 吉備の中山 帯にせる
細谷川の 音のさやかさ
や新古今和歌集にある
・常盤なる 吉備の中山 おしなべて
千歳の松の 深き色かな
という歌のように「読み人知らず」になっていて、誰が詠んだのか分からない歌もたくさんあるようです。
なお、古今集に乗っている“真金吹く・・・”という歌には
「この歌は、承和の御べの吉備の歌」と解説がついています。「御(おほむ)べ」というのは大嘗祭のことだそうです。承和という年号は仁明天皇の時の年号です。(834年)
なお、念のために新古今集に取り上げられている「常盤成る・・・」の歌は藤井高尚先生がこよなく愛されていた歌で、村上天皇の大嘗祭の時(949年)の吉備の歌です。
真金吹くの歌については、吉備津神社の本宮社の横に建ってある野々口隆正の石碑に詳しく説明がしてありましので、機会があれば見ていただきたいものです。
それは、現在、玉島市の長尾にある句碑にも「後三条天皇、治暦四年大嘗祭備中国歌 藤原経衡」として彫りこまれています。
・遥かにぞ いま行末を思うべき
長尾の村の 長きためしに
です。
このように、天皇の大嘗祭の主基方の風俗歌としてたくさん吉備地方の山や川を中心にして作られています。大方は経衡のような歌人に託したようです。
中には、古今和歌集にある
・真金吹く 吉備の中山 帯にせる
細谷川の 音のさやかさ
や新古今和歌集にある
・常盤なる 吉備の中山 おしなべて
千歳の松の 深き色かな
という歌のように「読み人知らず」になっていて、誰が詠んだのか分からない歌もたくさんあるようです。
なお、古今集に乗っている“真金吹く・・・”という歌には
「この歌は、承和の御べの吉備の歌」と解説がついています。「御(おほむ)べ」というのは大嘗祭のことだそうです。承和という年号は仁明天皇の時の年号です。(834年)
なお、念のために新古今集に取り上げられている「常盤成る・・・」の歌は藤井高尚先生がこよなく愛されていた歌で、村上天皇の大嘗祭の時(949年)の吉備の歌です。
真金吹くの歌については、吉備津神社の本宮社の横に建ってある野々口隆正の石碑に詳しく説明がしてありましので、機会があれば見ていただきたいものです。