3月尽です。少々の肌寒さは感じられるものやはり春の盛りです。吉備津宮の桜が気になり出かけました。見事な枝垂れの桜が池の水面に、そよふく穏やかな春の空に、その己が姿を眩しいまでに映し出しています。

このほかの神社の周りにある「ソメイヨシノ」の桜は、まだ、咲き初めたばかりで、この2,3日らいの春先にしてはやや寒々とした風に、お手玉でもされているように、満開を待ちわびているようでもありました。
そのほんの1分か2分の咲きかけの桜の木の下を通って、自然と歩みが細谷川へと進みます。「あのオオルリはどうしているかな。もういないのかな」と思いながら。
途中で「タラ」の芽を摘みつつ上っていきます。どうもその姿が谷川には見えません。
谷川の遊歩道を下ってくる御夫人とすれ違います。見し人です。挨拶を交わして、また、しばらく谷川を上ります。すると、突然、シジュウガラが谷川の向こうの枝から枝へと、姿を見せたり消したりしながら飛び渡っています。そのシジュウガラの姿を追って私も谷川を下りますが、すぐどこに行ったか分からなくなります。
しばらく下りていくと、先ほどの御夫人が何やら探すように谷川を見つめているではありませんか。
「何かいるのですか」
「谷に美しい鳥がいますよ」
「どこにですか」
「ほれ、あそこに青色の鳥が。ルリタキかしら」
「あ、本当だ。あれはオオルリですよ」
と、知ったかぶりをする私。
「オオルリというのですか。私のご近所でもときどき見かけますよ。・・・あ、どこにいったでしょうか」
その御夫人は、しばらくの間、何か不思議そうに頭をかしげながら、それからゆっくりと道を下って行かれました。
私は、一昨日見たあのオオルリが、まだ、ここにいてくれたかと、大いに感激してしばらく谷川の青い鳥を追います。
ちょっと谷川を上った岩の上から「ここにおるぞ、おまえを待っていたのだ」とでも言うようにじっとことらを見ています。
その時、先ほどの御夫人の言われた「ルりタキ」という名が、突然に、頭の中に湧き上がってきます。御夫人に「オオルリですよ」と言ったあの青い鳥も、何か知らないのですが私の周りからそんなに遠くへは飛んでいきません。谷川にある小枝に留ったかと思うと今度は谷川の岩の上にと。よく見ると頭をしきりに上下させる動作を繰り返しています。不思議なのですが、私には、それが「そうだ。そうだ」と言っているように思えてなりません。
「何がそうなんだ」
と、思いながら、その様子を数枚の写真に納めて帰りました。
その私のオオルリは、まだ、そのあたりを飛び交っていましたが。
家に着くなりさっそく調べてみました。
オオルリでなく、やっぱり「ルりタキ」でした。
谷川のルりタキがあのきれいな声を聞かせてくれないのかが何となくわかったようでもあります。
とんだ「失敗の巻」でした。

このほかの神社の周りにある「ソメイヨシノ」の桜は、まだ、咲き初めたばかりで、この2,3日らいの春先にしてはやや寒々とした風に、お手玉でもされているように、満開を待ちわびているようでもありました。
そのほんの1分か2分の咲きかけの桜の木の下を通って、自然と歩みが細谷川へと進みます。「あのオオルリはどうしているかな。もういないのかな」と思いながら。
途中で「タラ」の芽を摘みつつ上っていきます。どうもその姿が谷川には見えません。
谷川の遊歩道を下ってくる御夫人とすれ違います。見し人です。挨拶を交わして、また、しばらく谷川を上ります。すると、突然、シジュウガラが谷川の向こうの枝から枝へと、姿を見せたり消したりしながら飛び渡っています。そのシジュウガラの姿を追って私も谷川を下りますが、すぐどこに行ったか分からなくなります。
しばらく下りていくと、先ほどの御夫人が何やら探すように谷川を見つめているではありませんか。
「何かいるのですか」
「谷に美しい鳥がいますよ」
「どこにですか」
「ほれ、あそこに青色の鳥が。ルリタキかしら」
「あ、本当だ。あれはオオルリですよ」

と、知ったかぶりをする私。
「オオルリというのですか。私のご近所でもときどき見かけますよ。・・・あ、どこにいったでしょうか」
その御夫人は、しばらくの間、何か不思議そうに頭をかしげながら、それからゆっくりと道を下って行かれました。
私は、一昨日見たあのオオルリが、まだ、ここにいてくれたかと、大いに感激してしばらく谷川の青い鳥を追います。
ちょっと谷川を上った岩の上から「ここにおるぞ、おまえを待っていたのだ」とでも言うようにじっとことらを見ています。
その時、先ほどの御夫人の言われた「ルりタキ」という名が、突然に、頭の中に湧き上がってきます。御夫人に「オオルリですよ」と言ったあの青い鳥も、何か知らないのですが私の周りからそんなに遠くへは飛んでいきません。谷川にある小枝に留ったかと思うと今度は谷川の岩の上にと。よく見ると頭をしきりに上下させる動作を繰り返しています。不思議なのですが、私には、それが「そうだ。そうだ」と言っているように思えてなりません。
「何がそうなんだ」
と、思いながら、その様子を数枚の写真に納めて帰りました。
その私のオオルリは、まだ、そのあたりを飛び交っていましたが。
家に着くなりさっそく調べてみました。
オオルリでなく、やっぱり「ルりタキ」でした。
谷川のルりタキがあのきれいな声を聞かせてくれないのかが何となくわかったようでもあります。
とんだ「失敗の巻」でした。