昨日の天声人語氏は、
“願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ”と詠んだ西行が死を迎えたのは、旧暦2月の16日。そうです今日だったと語っています。その昨夜の満月は、ややうすら寒い中にも美しい月光が満天に輝いていました。その月を見ながらの春の月見酒を、秋と変わらずおいしく頂きました。
それは兎も角、新暦ですと、今日が弥生3月の晦日です。当然と言ってしまえはそれまでですが、明日からは4月なのです。
と、言う事からではないのですが、弥生と言う言葉がやけに心に懸かり、少々調べてみました。
まず、「やよい」という呼び名が最初に日本の歴史に登場するのは、日本書紀の神武紀らしいのです。
書紀を開いてみると、神武天皇が「平天下(アメノシタタイラケムト)欲(ホリシタマムトシテ)」、高千穂・筑紫・安芸を経て吉備の国に到着されます。この吉備の国に到着されたのが「乙卯年春三月甲寅朔己未入吉備国起行宮以居之是曰高嶋宮・・・」と、ありました。この「春三月」に「ヤヨイ」とルビをふっています。
ここにある「ヤヨイ」と言う言葉が、日本で、最初に使われたのです。以後、3月を総て「弥生」と呼ばれるようになります。
月々の呼び名は色々ありますは、此の「弥生・ヤヨイ」と言う呼び名だけは誰からも異論を称えられることなく現代でも一般に使われているのです。本居宣長からも「ヤヨイ」という呼び方について何も異論を挿む余地がないと言われたそうです。それぐらい一般化している呼び名です。
なお、此の「弥生」と言う言葉は、春になって一斉に草木が萠出て弥(いや)生ひ育つと言う事から、「いやおひ」・「やおい」・「やよい」と変化していったのだそうです。
3月は「弥生」だけではなくその他の多くの呼び名が付けられていると言われます。書物によると「花見月」「桜月」「春おしみ月」等がありますが、その他、とても変わった呼び方として「季春」「沽洗(こせん)」「寐月(へいつき)」「暮律」「清明」「嘉月」「花飛」「花老」などの聞いたことも見たこともないような言葉が沢山並んでいます。
でも、明日からは4月「卯月」です。ここに上げたような3月を呼ぶ言葉は、又、私たちの身の回りから完全に消えうしてしまいます。しかし、桜冷えの影響で、今年は、まだまだ、当分の間「花見月」「桜月」等の言葉が活躍しそうです。こんなことを考えておりますと、うれしいようでもあり悲しいようでもある今年の春です。
花冷えに 逡巡と季は 長居して
長居する 花も小鳥も 春に飽き
潔よく 散らぬ花見る 花見かな
いつまでも 下から上まで 花いっぱい
今日もまだ 散らぬさくらの ここあそこ
はようちらにゃあおえんど 遅ざくら見上げて 大きく息を吸いこむ
“願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ”と詠んだ西行が死を迎えたのは、旧暦2月の16日。そうです今日だったと語っています。その昨夜の満月は、ややうすら寒い中にも美しい月光が満天に輝いていました。その月を見ながらの春の月見酒を、秋と変わらずおいしく頂きました。
それは兎も角、新暦ですと、今日が弥生3月の晦日です。当然と言ってしまえはそれまでですが、明日からは4月なのです。
と、言う事からではないのですが、弥生と言う言葉がやけに心に懸かり、少々調べてみました。
まず、「やよい」という呼び名が最初に日本の歴史に登場するのは、日本書紀の神武紀らしいのです。
書紀を開いてみると、神武天皇が「平天下(アメノシタタイラケムト)欲(ホリシタマムトシテ)」、高千穂・筑紫・安芸を経て吉備の国に到着されます。この吉備の国に到着されたのが「乙卯年春三月甲寅朔己未入吉備国起行宮以居之是曰高嶋宮・・・」と、ありました。この「春三月」に「ヤヨイ」とルビをふっています。
ここにある「ヤヨイ」と言う言葉が、日本で、最初に使われたのです。以後、3月を総て「弥生」と呼ばれるようになります。
月々の呼び名は色々ありますは、此の「弥生・ヤヨイ」と言う呼び名だけは誰からも異論を称えられることなく現代でも一般に使われているのです。本居宣長からも「ヤヨイ」という呼び方について何も異論を挿む余地がないと言われたそうです。それぐらい一般化している呼び名です。
なお、此の「弥生」と言う言葉は、春になって一斉に草木が萠出て弥(いや)生ひ育つと言う事から、「いやおひ」・「やおい」・「やよい」と変化していったのだそうです。
3月は「弥生」だけではなくその他の多くの呼び名が付けられていると言われます。書物によると「花見月」「桜月」「春おしみ月」等がありますが、その他、とても変わった呼び方として「季春」「沽洗(こせん)」「寐月(へいつき)」「暮律」「清明」「嘉月」「花飛」「花老」などの聞いたことも見たこともないような言葉が沢山並んでいます。
でも、明日からは4月「卯月」です。ここに上げたような3月を呼ぶ言葉は、又、私たちの身の回りから完全に消えうしてしまいます。しかし、桜冷えの影響で、今年は、まだまだ、当分の間「花見月」「桜月」等の言葉が活躍しそうです。こんなことを考えておりますと、うれしいようでもあり悲しいようでもある今年の春です。
花冷えに 逡巡と季は 長居して
長居する 花も小鳥も 春に飽き
潔よく 散らぬ花見る 花見かな
いつまでも 下から上まで 花いっぱい
今日もまだ 散らぬさくらの ここあそこ
はようちらにゃあおえんど 遅ざくら見上げて 大きく息を吸いこむ