怪僧ラスプーチンというと、一般の人はどんなイメージでしょうか。私は何も見ないでこの人を説明しようとすると、「ロシアにいた人で、魔術だか催眠術だかを使って王室に取り入って好き放題暴れて、政治にまで口出しして最後は暗殺された謎の人」ということになりましょうか。ただ、正確にいつの時代の人だというのは知らなかったです。
それで、たまたまこの「ラスプーチン暗殺秘録」を見つけて読んでみた次第。ラスプーチンのことを書いた本は色々あるようですが、暗殺に関するものではこの本が決定版だそうです。というのも、著者のフェリクス・ユスポフ公爵はその実行犯であり、訳者のあとがきによると「なんといっても、下手人による第一次資料という点が、本書の特異な位置を十二分に明らかにしている。」のだとか。
ただ、この本はほとんど暗殺を計画するあたりから始まるので、ラスプーチンがどういう人でどういう悪事を働いたのか働かなかったのか、その辺はよくわかりません。ちなみに暗殺されたのが1916年ですから、日本でいうと明治の末期から大正時代に活躍した人なんですね。第一次大戦の頃でもあるし。
なんにしても、その頃のロシアの歴史とか皇帝が誰とか、戦争はどうなった、革命はどうなった、という流れをよくわかってる人ならこの本はもっと楽しめるのかもしれません。ただ、この本でも一般に言われているように、十分致死量に相当する青酸カリ入りのお菓子や酒を飲んでも平気だったというのは本当のようです。ちょっとくらい調子は悪くなったようですが、その原因は諸説あります。結局最後は射殺されたんですね。不思議な人だなぁ。
ちなみに「ゴー!ゴー!ラスプーチン!」というのは、ボニーMのヒット曲「怪僧ラスプーチン」の一節ですが、今の若い人は知りはれへんやろなぁ。なお、この本は買ったわけでは無く、図書館から借りました。まぁ公爵は大金持ちみたいだし、別に今さら印税はいらんでしょうと。って、もういないだろうけど。