4歳年下の弟がいる、
人に優しい、そのやさしさがどこかで形を変えてしまう、
家庭を持ち3人の子供に恵まれるが、
「恋人としては良いが夫としては失格」そのものだった、
そして、離婚。
14年前の夏、
「腸の調子が悪くて、検査入院したよ、来週の約束悪いけど・・・
手術になるけど1回家に帰るよ」
会う約束をしていた弟からの突然の電話を受けたのは、
夏休みを利用して出掛けていた西伊豆松崎の花火大会の日だった。
いやな予感は当たって、
1度家に帰ることなく手術になった。
夜、綺麗に夜空に広がる色とりどりの花火が空しく、
病弱な父とその頃は元気だった母ことを思うと、
気持ちが沈んだ。
帰りの高速道路で受けた電話は緊急手術の後、
先生から説明を受けた2度目の結婚相手からだった。
「悪いところは全部取ったそうです。」
「それであとどのくらいですって?」
「半年、うまくいけば1年かな?といわれました」
冷静な声で聞いた私に、
彼女も冷静に答えていた感じがした。
14年前のそんなやり取りを思い出した。

20歳のお祝いの食事会の帰り、体調を崩し、
十二指腸潰瘍の手術から始まり、
胃潰瘍で大半を切除している、
病気、痛み慣れしている彼だが、
そんなことは言えない、
「告知」はしないと決めた。
S字結腸に大人のこぶし大のもの、
そしてもう1つは背中の筋肉に食い込んで、
筋肉の1部とともに抉り取ったと
執刀医からの写真つきの説明を聞いた。
その写真を見た限りでは、
半年、1年の命の期限は仕方ないと思えた、
悪いところは取ったといっても、
ほかの臓器への転移も認められた、
そこから始まった姉、私、嫁、
何とか楽にさせようと、
15種類ほどのサプリメント、
プロポリス、AHCCを山のように飲ませた。
少しずつ元気を取り戻した弟は仕事にも
戻ることが出来て、
どういう形でどうなっているのか、
私の見たあの写真の様子とは裏腹に、
元気を回復した弟は14年間と言う時間を、
神様からおまけの人生としていただいた。
そんな弟が体調を崩し、
検査入院となり、病院へ送った、
マレーシアに出掛ける前で良かった。
おまけの人生大事にして・・・・・よ。
