まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「四十九日のレシピ」伊吹有喜

2012-08-07 19:58:11 | 読書のすすめ
今日は 朝のうちは涼かったですが 日中暑くなりました。
館林36.9℃。
うーーん お盆中も9月入っても暑いんだろうなあ。


さて 伊吹有喜の「四十九日のレシピ」を読みました。

四十九日のレシピ
伊吹有喜
ポプラ社


「良かったですよ」と言われて ずっと読みたかったのをやっと読めました。

二週間前に妻を喪った熱田良平は その日の朝のことを思い出していた。
妻 乙美(おとみ)は 釣りに行く良平のために弁当を作ってくれていた。
それなのに その弁当のおかずのソースが染みだしていることに怒って 良平は怒鳴り弁当を持たずに家を出た。
その数時間後 乙美は心臓発作で亡くなった。

何故あのとき怒鳴ってしまったのだろう。
と後悔し 何もする気が起きない良平の前に 井本と名乗る少女が訪ねてくる。
生前 乙美が世話をしていた施設の少女で 四十九日の大パーティまで 良平の面倒を見てくれと 乙美に お金まで渡されて 頼まれていたという。
そこに 結婚して離れて暮らしていた一人娘の百合子が 帰ってくる。

夫に浮気され 離婚届を置いて出てきた百合子。
乙美は 百合子の実の母ではない。
百合子は 乙美を 『乙母(おっか)』と呼んでいた。
乙美は 百合子が五歳のときから 三十三年間付かず離れず 温かい目で見守ってくれた。
しかし 人生のピンチにいる百合子に寄り添ってくれる乙美はもういない。

葬式はしかたないけれど 四十九日は 美味しいものを食べて楽しい大パーティをやってほしいと 語っていた乙美。
果たして 良平と百合子は 乙美の死を乗り越えて 大パーティを開くことができるのか。



乙美を喪い 道を見失う二人に 乙美が残したレシピを使って世話をしながら 寄り添う井本。
その姿は 亡き乙美の姿に重なります。

享年七十一歳の乙美。
自分が死んだ後 大切な人のためにイラスト入りのレシピを残します。

人は 時に悲しい現実と向き合って生きていかなくてはなりません。
そんな時 力になるのは 美味しい食事を食べ よく眠ることですよね。

がっくりしているときは どちらもおろそかになりがちですが
そんなとき 冷静な周りの人が 温かくフォローしてあげられたらいいんだなと 感じました。

この本を読んだら 家族に 美味しい食事を作らなくては・・・と 台所に立ちました。
(単純?^^;)

乙美のようには とてもなれないけれど 目指すくらいにはなりたいな。

レシピには 処方箋という意味があるのだそうです。
乙美の残した教え子?達とレシピに 次第に救われていく良平と百合子。

お勧めです。
是非 ご一読ください。

いがぐりおは 家事は上手?
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