今回はトラブルが報告されたRENOGYの走行充電器について。
RENOGYのこのシリーズの走行充電器は20、40、60Aと3種類がある。
車のオルタネーターの能力によって取付けられる大きさが決まるが、カムロードやハイエースの130Aのものだったら出力が60Aの走行充電器を取付けても能力的には大丈夫。
この走行充電器は昇圧型で、オルタネーターで発電した電気を14.6Vまで昇圧してリチウムバッテリーに供給するもので、価格も29,000円程度と安いので人気がある。
リン酸鉄リチウムバッテリーの充電には12.6~14.6Vと高くすることで充電電流を多く流せる。
このブログでも以前に40Aの走行充電器をテストした。
安くて性能がいいと評判だが、この走行充電器も60Aのものは、いくつかトラブルも報告されているので今回は注意喚起も含めてその紹介。
この二つはどちらも故障したもので、ブログ読者さんから提供していただいたもの。
故障個所が特定できるようにカバーは外している。
まずは右側のものから。
トラブルの状況としては、メインバッテリーから22SQで配線して走行充電器に接続。
メインバッテリーのバッテリー端子への接続が完全ではなく接触不良だったようで、電流が大きいのでバッテリー端子が焼けて取れた。
MOS FETが焼けて割れている。
入力側のプラス側の電極が焼けて外れている。
樹脂製のカバーも熱で焼けた跡が見られる。
左側の走行充電器は右のものよりMOS FETの焼けも割れもなく一見きれい。
こちらは昨年の夏に北海道でリチウムバッテリーのトラブルで端子の加熱を見つけた。
入力側のプラス電極にビニルが焼けて炭化したような跡がある。
基盤を裸にしてみたら、ハンダがボロボロ。
マイナスドライバーの先端で少しカリカリやってみたら、ガラエポ基盤が焼けていて綿のように取れた。
これまで3件ほど同様なトラブルを見てきたが、どれも入力側の配線工事に問題がありそう。
60Aの走行充電器は、出力は60Aだが、入力はオルタネーターの電圧にもよるが、65~70Aくらい。
配線は22SQが標準だが、それより細かったり、長いと電圧降下で流れる電流はさらに増える。
さらに走行充電器の電極に端子の取り付け方が悪いとここでも発熱する。
電圧低下による電流増がどの程度までなのかは未知数だが、走行充電器の基盤もガラエポにハンダを盛っただけなので、そんな大電流には余裕もなさそう。
これは60Aの走行充電器の電極と6ミリの固定ビス。
下はどれも22SQの圧着端子だが、左はブレーカー端子でまん中は一般的なマル型22-6、右はマル型22-8。
左と中は使えても、右の穴径が8ミリの物はまともに電流が流れない可能性がある。
電圧は12Vと低くても電流は60~70Aとかなり高く、普通はこんな大電流を扱うことはない。
電流が大きいと下手をすると火災の危険もあるので、配線や接続はかなりしっかり行うことが重要で、
振動で緩んだりしてないか時々はチェックしたり、加熱してないか触ってみることも大事。
もし加熱しているようだったら原因を究明するか、とりあえずLC電流制限に12Vを印可して出力電流を定格電流の半分に制限して機器の損傷を防ぐほうがいいかも。
この事例のように入力端子部分が焼けたりしたら、修理して使うことはトラブルの元なので諦めたほうが安全だと思う。
こういった接続部のトラブル防止のためか、新しく出たREGOシリーズ 走行充電器12V 60Aは充電器の入出力端子はアンダーソンコネクターになっている。
RENOGY製品はこちらにたくさんレビューがあります。
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