これまでの作業でジルの古い室外機も配管も全て撤去した。
新しい室内機はもう既に取付け済みで、今回は、室外機を取付けて稼働させる。
取付にあたり、考慮した大事な事が二つある。
まず一つ目は、
① 室外機の取付け方向をこれまでと反対に向ける。
ガラリから吸い込んだ空気をジルの床下に吐き出せばエアコンがオーバーヒートしない。
二つ目は、
② 冷媒配管の接続はフレアレスジョイントを使用する。
フレア接続は簡単なようだが、エアコントラブルの95%はこのフレア接続が問題。
要領が分かれば簡単だが、やったことがない人にとってはハードルが高い。
おまけにフレア加工器具や専用のトルクレンチが必要で高価。
これさえクリアできればDIY好きであればこの工事は出来そう。
この二つの事を考慮しながら作業するが、まずは室外機を設置。
室外機を設置するにあたり横の飛び出たカバーを外す。
それでも横のフレア取付け部分が入らないので赤線部分をジグソーで切断した。
室外機のファンはどれも吐き掃き出しタイプ。
エアコンの固定は右側は既設の取付穴とボルトが使えた。
左側の2か所はドリルビスでフレームに固定した。
フレアジョイントとは ?
ここでエアコンの冷媒配管を接続する一般的なフレアジョイントについて説明。
フレアジョイントとは、なめし銅管の端部をラッパ状に加工してフレアナットで締め上げる接続方法。
市販の冷媒ホースはフレア加工されたものが多いが、長さによってはフレア加工が必要になる。
今回も場所が狭いので現場合わせでフレア加工が必要になる。
フレアジョイントはフレア面をきれいに合わせてナットをトルクレンチで締める。
場合によっては漏れ防止でナイログ等(漏れ防止剤)を使う。
軟銅がパッキンの役目をする。
この方法は多くの油圧配管などに使われ、車のブレーキ配管もフレア接続(ダブルフレア)されている。
フレアレスジョイント
今回は素人にもできるフレアレスジョイントで行う。
フレアレスジョイントとはその名の通りフレア加工がない接続方法。
ダイキンの業務用のエアコンに入っているが、普通は二分(ぶ) と四分、三分と五分の組み合わせ。
二分とか三分とか言うと分かりにくいが、サイズは以下の通り。
二分 1/4インチ (外径 6.35mm)
三分 3/8インチ (外径 9.52mm)
四分 1/2インチ (外径 12.7mm)
五分 5/8インチ (外径 15.88mm)
フレアレスジョイントはメルカリなどで入手は可能。
これはフレアレスジョイントを分解したもの。
フレアジョイントはラッパ部分がパッキンになるが、フレアレスジョイントはOリングで冷媒を止める。
実を言うと、ボクもこれを使うのは初めて。
使い慣れたフレア接続の方が安心だが、それだと多くの人にとってハードルが高い。
その為今回はあえて初物に挑戦することにした。
こんなOリングで冷媒が漏れないか心配だが、エアコンでは日本のトップメーカーの
ダイキン製なので問題ないと思うが、多少の不安が頭の中を横切る。
この際、人柱に立って使ってみることにする。
フレアレスジョイントについては、別にブログで上げるつもり。
冷媒配管は電気工事店やホームセンターで売られていて両端がフレア加工されている。
今回は、わざわざフレア加工されているのに銅管カッターで切断する。
勿体ない気もするが仕方ない。
冷媒配管は普通ペアチューブになっているので、切り離して一本づつにすると狭い場所では工事しやすい。
こちらは室内機側の接続で、まずは太い三分管(3/8インチ)から。
① フレアレスジョイントに当たるまで差し込んで銅管にマーキング。
(本来なら専用のマーキングゲージで印をつけないといけない。)
② ナットを手でクルクル回るまでいっぱいに締めこむ。
③ プラグとナットに印をつける。
④ スパナとモンキーを使って正確に 一 回転締めこんで完了。
一回転締めこめば、内部のスリーブが銅管に食い込んで外れなくなる。
締めこむと銅管に印をつけたところがわずかに移動する。
次は室外機側の配管接続。
同じように上の二分配管を先に接続するが、やり方は先ほどと同じ。
フレアレスジョイントに余計な力が掛からないように冷媒配管はまげておく。
低圧側のナットを外して
同じように接続したら、サービスポートにマニホールドを接続して真空ポンプで真空引き。
30~40分引いてバルブを閉めて問題ない事を確認したら高圧側のバルブをわずかに開ける。
室内機と配管に圧が掛かったらバルブを開放にする。
低圧側のバルブも解放にしたらバルブのナットを締めて完了。
配管の保温もきれいにテープを巻いて仕上げる。
室外機横のカバーは上のフレームに当たるので途中で切断すればOK。
冷媒ガスの圧力
エアコンの冷媒ガスは、昔はR22が使われていた。
それがR410になって最近はR32が使われて、ガス圧力はどんどん高くなる。
これが気温33度くらいの時の圧力は2.1~2.2MPaだから21kg/㎠程度でかなり高圧。
車にはR134aが使われているが、こちらは0.8MPaと低い。
ここで冷媒が洩れていないかのチェック。
ギュポ(漏れていれば泡が出る)を吹きかけて漏れてないことを確認した。
キャンカーの室内温度が34.9度で吹き出し口温度は21.7度でOK。
さすがに生き返った気分で、しばらくの間エアコンに当たって涼んだ。
今回はエンジンからの熱い空気の回り込を防ぐ為に、アルミ板で左右と下側を遮蔽した。
この効果は大きく、ガラリの前に手をおくと吸い込む空気の流れが感じられる。
ガラリを元通りに復旧してここの作業は終了。
これまでの室外機の向き
吹き出し口を大きく改造した箇所も小口テープできれいに修復。
よく見るとアラは分かるが、ちょっと離れると分からないので良しとしよう。
また以前のように静かで快適なキャンカーに戻ってやれやれ。
今回のエアコン更新は、真夏の暑い最中での工事で一時はどうしようかと迷ったが、
時間はあるのでボチボチやれば何とかなるだろうといつもながらの安易な考えで始めた。
以前に室外機のファンをひっくり返して、オーバーヒートを防いだ記事をブログに上げた。
同じように改造した人達から声を掛けられて、これまでに7~8人にお会いして驚いたことがある。
同じようにエアコントラブルが発生したら、この記事が何かの参考になればと思う。
過去記事
ZIL 520のエアコン取替え その3 木枠加工
ZIL 520のエアコン取替え その4 室外機撤去
快適化やトラブル事例はこちらに沢山あります。
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