今回、ZIL 520のエアコン取替えでダイキンのフレアレスジョイントを採用した。
これまで通りフレアでつないでも良かったが、フレアレスジョイントは
キャンピングカーなどのエアコン施工に不慣れでもかなり有用だと判断した。
家庭用エアコンはメーカーが耐久性を10年としているが、13.5年が平均寿命らしい。
中には20年以上使えたりもするが、ジルに積んだのは13年で駄目になったので、平均寿命である。
最近のキャンカーは、ダイネットに家庭用エアコンを設置している車も多い。
車の耐用年数はかなり長いので、いつかの時点でエアコン取換えを視野に入れた方がいいかも。
カーエアコンのライフはかなり長いが、家庭用エアコンは途中で取替えが必要になりそう。
キャンカーに取付けられている家庭用エアコンは安価で4~5万円である。
エアコンは安く変えるが、キャンカーに新しく取付ける場合も取替え工事もかなり大変だ。
多くは隠ぺい配管であり、このZIL 520も同様だった。
これまでのエアコンの冷媒はR410Aで今度はR32なので配管はそのまま使えたが、
今回は室外機の向きを変えるので、冷媒配管も取り換えるつもりだった。
エアコントラブルの95%はフレアからの漏れらしく、フレアレスジョイントを使えば、
エアコン施工のプロでなくても施工できそう。
室内機との接続部が壁の中にあるので、漏れだけは何としても避けたいところ。
今回はそんなフレアレスジョイントの使い方を少し詳しく勉強する。
左がこれまでのフレア接続で右がダイキンのフレアレスジョイント。
フレア接続はラッパ部分をナットで締め上げて押さえる。
室外機を動かしたりすると、首が短いのでフレアから漏る場合がある。
フレアレスジョイントは首が長い分だけ、配管の曲げや振動に対しても強そう。
フレア接続はトルクレンチを使ってかなりの力で締め上げる。
特に室内機側は固定されてないので、モンキーとトルクレンチを使っても慣れないと難しい。
フレアレスジョイントはそこまでの力はいらないので、モンキーが2本あれば施工できる。
これはダイキンのカタログにあるフレアレスジョイントの説明の一部。
うたい文句は、フレア加工不要、初級者でも素早く施工。
空調業界では空調施工者の高齢化に伴う労働者人口の減少、技術者の
不足を受けて、空調の省施工化・施工品質の安定化が喫緊の課題となっている。
安心の「抜けない」「漏れない」構造とある。
フレアレスジョイントの構造をもう少し詳しく。
ナットのネジ部はねじ込みやすいように白っぽい滑り剤が塗られている。
シール材かとも思ったが、説明書では滑り剤ということらしい。
部材はナット、Oリング、スリーブ、インコアから成っている。
差し込む配管の切断部は、内外のバリをきれいに撤去する。
手でナットを締めこんで回らないところにきたら、
スパナでちょうど一回転締めこんで完了。
スリーブの先端が銅管に食い込んで外れなくなる。
ただし、一度使用したものは再使用するなと書かれている。
一般的には受けのOリングを交換すれば再使用は可能と思う。
「フレアレスジョイント」は冷媒配管継手の規格であるISO14903やJCDA0012
(日本銅センター規格)に定められた気密試験や引張試験、曲げ試験など11項目の
性能評価試験をクリアしている。さらにダイキン独自の耐久試験も実施しているとのこと。
同じカタログにクイックパイパーという配管継手もあった。
フレアレスジョイントはほとんど経験がなくても、古い冷媒配管でも使える。
フレアをカットしてフレアジョイントを差し込んで締めるだけ。
トルクレンチが不要なのでDIY感覚でやれて、フレア接続の2/3程度の力で済む。
熟練がいらないだけでなく施工の信頼性も向上しそうだ。
過去記事
ZIL 520のエアコン取替え その3 木枠加工
ZIL 520のエアコン取替え その4 室外機撤去
ZIL 520のエアコン取替え その5 室外機取付け
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