まちみちふうけい

間もなく10年目も通過点

No.1679 万葉歌碑巡り・・・名古屋編

2021-11-26 11:04:41 | 写真
よろしくお願いします。

















これももう半年以上も経ってしまいましたGWの愛知の旅、その中で巡った万葉歌碑を3回に渡ってお送りしています、今回はその最終回、この記録で愛知の旅を締めることとしましょう。
前回お伝えした東山公園での巡りを終えて、その後は名古屋市の丘陵地を通り抜けて瑞穂区へ、運動公園の一帯の森の中を走り回ってやっとのことで見つけた・・・坂道の途中の木々の中にあった、ホンマに分かりにくい場所だった・・・のが写真1枚目~3枚目にある風景↓↓↓

「小治田の 年魚道の水を 間なくぞ 人は汲むといふ 時じくぞ・・・」(作者不詳・巻13-3260)

「あゆち水」と書かれた大きな碑の横にある小さな石碑が歌碑かと思えばそうではなく、その横に立っている気の看板に歌が記されていました。「年魚道」とは鮎の魚道、この地の人はこの鮎が泳ぐ水を汲んでいたとのことで、それに例えて恋の歌へとつなげている、今回の歌碑巡りはこの「あゆち」がキーワードとなって行きます。その後は南区へと進み、地下鉄鶴里駅付近の高台の住宅地へ、ここでは2か所の万葉歌碑を巡ったが両方ともが同じ歌↓↓↓

「桜田へ 鶴鳴き渡る 年魚市潟 潮干にけらし 鶴鳴き渡る」(高市連黒人・巻3-271)

ここでも「年魚」の文字が出てきています。「年魚市潟」は「ayuchikata」と読み、潮干とあるから昔はこの辺りが海から続く潟だったと言うことでしょう。歌には桜田と言う地名が出てきているが、この近くには名鉄桜駅や桜台高校など、桜に関する地名が多い、昔は一括して桜田と言う地名で馴染まれた所なのだろう。
















さあ、時間も夕暮れに差し掛かってもうひとつだけ、南区の寺院にある歌碑を巡ろうと思ったが、現地にはたどり着いたものの歌碑を探し出すことはできずとなってしまった。もう暗くなりかけてきたのでこの日の巡りはあきらめ、明日再度ここへ来ることにしよう・・・と言うことで初日の走りは終わりました。


開けて2日目、まずは東海市へと走って住宅地の中でこの日最初の目的である歌碑を見つけることができました。それが写真1枚目~6枚目の神社にある歌碑、ここに記された歌については後程取り上げることとしておきます。ここからは大府市を経て豊明市へ、結構長い距離の走りとなったが、何とか次の目的地である大蔵池公園へとたどり着くことができた。池の周辺は遊歩道となっていて、その一角にある植物園エリアには小さな歌碑が点在している。ただ、植物の葉が無造作に伸びていて歌碑の姿を隠してしまっているものもあって、特に取り上げたいものも見つからない、ごく普通の万葉植物に関する歌碑ばかりで、地元を表現している歌はなさそうだ。

















豊明市を後にして名古屋市へと入り旧東海道を進んで行く、途中で笠松観音に立ち寄り、その後は昨日の宿題に置いておいた寺院へと向かう。旧街道から一本外れた道へと入り、名鉄呼続駅に近い高台の住宅地にある百毫寺、昨日は見つけきれなかった歌碑は本堂の奥の森の中にあった。

「年魚市潟 潮干にけらし 知多の浦に 朝漕ぐ舟も 沖に寄るみゆ」(作者不詳・巻7-1163)

この歌は先に訪ねた東海市の神社にあった歌碑の歌と同じ、そしてここにも「あゆち」が登場している。知多の海からあゆちの潟に向かって舟が漕いで行くのが見えると言う意味からして、先の東海市から見た光景を歌ったものだと言うことがうかがえます。ここまでで度々登場してきた「あゆち」が、言葉の響きからして愛知県の名前の由来になっている感じです。

「ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に 溜まれる水の 玉に似たる見む」(作者不詳・巻16-3837)

この走りの最後に訪れた愛西市の寺院の歌碑にある歌、久しぶりに雨が降ってくれたら、ハスの葉っぱに水玉を見ることができるだろうと言う、何とも風流のある歌です。ハスは花もいいけど、ちょっと引き込まれそうになる大きな葉っぱもまたいいんですよね~、この時はGWと言うことでハスの季節はまだまだ先と言う感じでしたが、この寺院を後にして市内の田園風景の中を走っていると、至る所でハスの畑を見かけました。愛西市はハスの見所と言うことでこの歌が取り上げられたと思うが、暑い夏の中で人々の目を楽しませてくれる風景が、この後繰り広げられることとなったことでしょう。


万葉歌碑・名古屋編



今回もご覧いただきましてありがとうございました。・・・・・・・・・・まちみち



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