その彼女とは3年で同じクラスになったのだけど、毎朝電車がほぼ同じで、一緒になることも多かった。
同じクラスではあったけれど、共通の話題もなくそれほど話す機会があったわけではない。多分なんとなく好きになっていったんだな。
なんとなく弱々しい感じで(ホントは全然そんなことなかった)。
ちょっと傾いて歩くくせがあって、いつも長い髪が左右になびいていた。
京成の千葉駅(今は千葉中央なのかな)で下りて、セントラルプラザを曲がって裁判所を過ぎて県庁の下をくぐり、文化会館の前を曲がって長い坂を上る母校への約20分の道のり。
友人としゃべりつつも、前を歩く彼女の髪をちらちら見ながら登校していたっけな。
おぉそうだ、記憶がさだかでないのだけれど、帰りは県庁をくぐって曲がってNHK千葉放送局の横を通って帰ったことも多かったような気もする。そうすると輸入レコード屋さんや映画館があったんだ。
その演奏会で彼女は3人組で中島みゆきの「時代」と(多分B面の)「傷ついた翼」という曲をやった。
ピアノ担当の彼女から、(傷ついた翼の)ピアノ部分のスコアをコピーして教えてくれないかと頼まれた。
(と言うことはきっと告白してはいなかったのだろうな。お互いに受験だったし。)
彼女からテープに録音してもらって、ヘッドフォンをして何度も何度もラジカセを巻き戻したりとめたりして随分張り切って音を聞き取ったっけ。(ピアノの音だけじゃないので聞き分けるのが大変)
(そう言えば、当時僕は初めての共通一次テストを終えて二次試験に向けて必死でなければならなかったはずなのだけど、前年の夏あたりから突然家ではまったく勉強しなくなって、だいぶ順位も落ちて家では寝てばかりというような生活になっていた。学校へは行っていたけれど。これではいかんと焦ってはいたんだろうけど、もうモチベーションがあがらなかった。)
放課後の音楽室の奥のピアノで二人で座って練習したのがうれしかったな。
決して目立つタイプの子でもなかったのだけれど、18年前(30歳のとき)何を思ったのか突然クラス同窓会(それまで一回も開かれていなかったはず)を企画し、招待状が僕のところへも来た。
僕はもう出社拒否からひきこもり始めていてとても行けなかったけれど。
今回送るに際して、他の友人達にも僕が長い間ひきこもっていたことを告白した。
いつもは年賀状だけの短いやりとりだから、あまり詳しくは書かなかったと思う。
今回のCD、きっと彼女はまた喜んでくれるだろうと思う。
しかし・・・・これに触発されてまたクラス会を企画したいと思ってしまうのではないか?それだけが気がかりである。(笑)