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さて、夕方になって、イエスは十二弟子といっしょに食卓に着かれた。
みなが食事をしているとき、イエスは言われた。
「まことに、あなたがたに告げます。あなたがたのうちひとりが、わたしを裏切ります。」
すると、弟子たちは非常に悲しんで、「主よ。まさか私のことではないでしょう」とかわるがわるイエスに言った。
イエスは答えて言われた。
「わたしといっしょに鉢に手を浸した者が、わたしを裏切るのです。」
(新約聖書・マタイの福音書26章20節~23節)
レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」の核心の部分の聖書箇所です。
「過ぎ越しの食事」は、このあとの聖書箇所に、主要なテーマがあると思いますが、
ダ・ヴィンチは、ドラマチックな人間の絡み合いのある、この場面――十二弟子の驚きと疑心暗鬼を描くことで、
絵画にアクションを盛り込んだのでしょう。
聖書を全体を通して読むと、イエス様自身にとっては、
ユダの裏切りは、すでに、織り込み済みであったと解釈できます。
すると、イエスを裏切ろうとしていたユダが答えて言った。
「先生。まさか私のことではないでしょう。」 イエスは彼に、「いや、そうだ」と言われた。
(同25節)
「最後の晩餐」の本当の核心は、この後の聖書箇所にこそ、あるのですが。
続きは明日。