「最後の晩餐」から、イエスが十字架に付けられ、死に至るまで二十四時間も経っていません。
それは実に、事態の急変であるように見えます。
弟子たちにとっては、驚きと悲しみと失意の時間です。
ゲツセマネで血のような汗を流して祈っているイエスをとらえるために、おおぜいのユダヤの群衆がやってきたのです。
イエスの弟子のひとりが剣(つるぎ)を抜き、イエスをとらえようとした大祭司のしもべに切りかかりました。
イエスは言われたのです。
「剣(つるぎ)をもとに納めなさい。剣(つるぎ)を取るものはみな剣で滅びます。
それとも、わたしが父にお願いして、十二軍団よりも多くの御使いを、今わたしの配下に置いていただくことが
できないとでも思うのですか。
だが、そのようなことをすれば、こうならなければならないと書いてある聖書が、どうして実現されましょう。」
(マタイの福音書26章52節~54節)
イエスが何の抵抗もなさらず捕縛されたので、イエスの弟子たちはみな、このときイエスを見捨てて逃げてしまうのです。
◎ ◎ ◎
イエスは、祭司長たちとユダヤの議会により有罪とされます。
唾を吐きかけられ、殴られ、あざけられ、裸にされ、荊で編んだ冠を頭に被せられ、また、
殴られ、鞭うたれ、からかわれ、十字架を負わされ、刑場に引かれていくのです。
※最後の晩餐――イエスの十字架刑――イエスの埋葬――復活については、
聖書の四つの福音書・マタイの福音書、マルコの福音書、ルカの福音書、ヨハネの福音書のすべてに、
記事があります。ぜひ、お読みになって見てください。