不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

19歳にもなった息子にいちいち付き添わねばならない件について

2020-02-04 16:56:22 | 日記
センター試験の帰路も付き添ってほしいという息子のために駅前で時間を潰していた私ですが、
直通の無料バスで試験会場に戻ろうとすると早く着きすぎてしまいます。

なぜかというと受験生用の臨時バスなので、駅前から出るのは試験に間に合う便が最後なのです。

こんな雪の日に吹きさらしの戸外で1時間以上も待っていられません。
幸い路線バスがありました。こちらは1時間に3本くらい出ています。

直通バスより時間がかかるのは確実ですが、大回りのルートを取るのか、まっすぐ行くのかわかりません。
万一にもすれ違わないように早めの便に乗ることにします。
というのも、私は一度息子に置き去りにされたことがあるのです。

その日は息子の在籍する通信制高校でウォーキングという授業がありました。
体育の単位に振り替えられるという言葉に釣られ、息子にしては珍しく参加したのです。
学校から東京タワーまで歩き、帰りは自由解散という予定でした。

一人で電車などほとんど乗ったことのない息子です。学校に友達もいないので、私が東京タワーまで迎えに行く約束でした。
ところが約束の時間になっても息子が一向に現れないのです。

私は青くなりました。息子は携帯電話を持っていません。ほぼ家にいるので必要ないのです。
息子から電話をくれない限り、こちらからは連絡が取れません。

学校に電話したりして大騒ぎになりましたが、へとへとになって帰宅すると、息子はちゃっかり一人で帰ってきていたのでした。

つまり息子は心細ければ私に付き添ってほしいけれど、元気なら私を待たずに帰ってしまう可能性があるのです。
残された私のことなど考えない、そういう男なのです。

けれどこれが失敗でした。

試験の終了40分ほど前に会場に入口に着いてしまい、とりあえずベンチに座ったものの、とても座って待っていられる寒さではありません。
入口からベンチまでの数十メートルをひたすら行ったり来たりして体が冷え切らないようにします。

永遠にも思える40分が過ぎ、やっと受験生たちが出てきました。
入り口前のロータリーには駅直通のバスが何台も横づけになっていて、次々と受験生を飲み込んでは発車していきます。
(確か黒の半コートにチノパンを履いてたはず……)
息子を必死に目で捜す私ですが、とにかく男子はみんな黒っぽい。制服の現役生はもちろんのこと、私服の子も黒い服の多いこと。
(ピンクの服でも着せときゃよかった)
と後悔しても後の祭りです。

ようやく人ごみの中から息子を見つけ出したのは更に30分も経ってからでした。

すっかり風邪をひいた私は二日目の送迎に行くことができず、夫に代わってもらいました。

ヒキコモリの息子がセンター試験を受けました(2)

2020-01-28 09:08:34 | 日記
越生線に乗り込んで
「これで安心だね」
と顔を見合わせたのもつかの間。
車内放送で何か言っています。電車の騒音がすごくてよく聞き取れない。
「……後ろのドアだけ……」
「今、なんて言った?」
息子に聞くと、
「後ろのドアだけ開くのかな?」
と、こちらもイマイチ自信がなさそうです。
昼間のこの時間帯は1時間に1本くらいの電車です。かなり余裕を持って来てはいるものの、
降りそこねたら遅刻は必至。念のため後ろのドアの前に行って待機します。

駅に到着。ドア横のボタンを押します。
あれっ、開かない。
見ると車両にもう一つある前方のドアに向かっていく人がいます。
(えっ、後ろのドアじゃないの?)
訳も分からずそのドアに向かって走り、なんとか降りることができました。

どうやら「後ろのドアだけ開く」のではなく、「運転士のすぐ後ろのドアだけ開く」みたいです。まぎらわしいんじゃボケ。
普段乗ってる人はわかってるんだろうけど、どうせ車内放送するなら、
乗りなれていない人にも分かるようにしてほしいと思います。
ほらオリンピック見に来た人がここまで足を伸ばすかもしれないじゃない。
そんなわけないか?

なんとか試験会場に着きました。
可能なら一緒にお弁当を食べようかと思っていたのですが、校舎の入り口で受験票を見せて入るようになっています。
「ここでお別れみたいだね」
なにやら悲壮な気分になって息子にささやくと、
「行ってくる」
と私を振り向きもせずに凛々しく中に入っていこうとします。
「いや、帰りも付き添ってほしいんでしょ? 待ち合わせしないと」
息子は家から出ないので携帯電話も持っていないのです。凛々しくもなんともありません。
「あ、そっか」
「じゃあ、終わった頃ここで待ってるから」
ポンと背中をたたいて送り出しました。それでもまだ未練があって、そこにいた受付のスタッフに
「親が待ってられるところってありませんかね」
と聞いてみました。
「いや、ないんすよ」
さすがに終わるまで6時間も待っている親はいないのか、受付スタッフも半笑いです。

学校の周りには何もないので、とりあえず無料バスで最寄り駅まで戻ります。
試験終了まであと5時間くらい。これから家に戻っても、2時間くらいでまた出かけてくることになりそうです。
面倒なのでターミナル駅まで行ってファミレスでねばって時間を潰すことにしました。

ヒキニートの息子とセンター試験へ

2020-01-21 11:35:12 | 日記
この土日はセンター試験に行ってきました。
来年度から制度が変わるというので、心配症の息子としては
(ただでさえ不安なのに、これ以上不安材料を増やしたくない)
という思いもあって受験に踏み切ったようです。

けれど普段はちょっと買い物に出るということもなく、
まだまだ社会復帰は時期尚早ではないかと思われる息子です。
私と夫も交代で一日ずつ試験会場まで送迎するという過保護ぶりです。

もちろん持ち物のチェックから、鉛筆を削るのまで私です。
それ以前に志望校選びとか、受験日程のカレンダー作りなど、
上の娘の時は学校任せだったことも私が付き合ってやらねばなりません。

「本人にやらせれば?」
と言われそうですが、ほんのちょっとでも面倒なことがあれば、
「やっぱ無理!」
と息子が諦めてしまうのではないかと私もビクビクしていました。
息子にはこれくらいしてやらないとすぐ心が折れてしまうのです。

何か子供がトラブルを起こすと
「親が過保護だから……」
と言われがちなこの世の中です。
19歳の息子に付き添って試験会場まで行くなんて恥ずかしいような気がしますが、
なりふり構ってはいられません。
実際問題、息子一人では試験会場までたどり着くことも難しかったでしょう。

社会科を受験しないと決めた息子は、1日目は午後からの受験でした。
息子の外出に合わせるように雪が降りだし、徐々に勢いを強めてきます。
学校に行きたくないという息子の念の力なのか、息子が学校に行く時に限って天気が崩れます。
通信制高校の期末試験の日には、電車の警笛が凍って遅延したことさえありました。
「警笛が凍るなんて、聞いたことない」
と、毎日電車に乗る娘と夫も驚いていました。

我が家は田舎のほうなので、電車のドアが自動では開きません。
乗降するたびにドアの横のボタンを押して開けるのです。
この日は夫や娘が普段乗るのとは逆方向、つまりより田舎のほうへ行く電車でした。
いや、電車ですらないのかも。
ディーゼル車なのかもしれませんが、まあそれは鉄オタでもない私にはどうでもいいことです。

雪は降るし、外出に慣れていないヒキニートとヒキコモリ主婦の二人連れは、
まるで小旅行のような気分でした。

越生という駅で乗り換えましたが、駅員さんの姿はないし、切符をどこに出せばいいのか分からないまま、
越生線の改札まで来てしまいました。私も息子もスイカなんか持っていないので切符なのです。

仕方なく越生線の改札にいた駅員さんに
「あのお、この切符う……」
と子供のようにおずおずと差し出すと、
「あっちに出すところあったんですけどね、まあいいですよ」
と受け取ってくれました。子供だと思われたのかもしれません。私は51歳ですがとても子供っぽく見えるのです。
それともバカだと思われたのかもしれません。
(次回に続く)

恐怖のママ友

2020-01-14 08:49:29 | 日記
人間関係いろいろ切り捨てた私の元にも今年も年賀状が何枚か舞い込みました。

面倒なので表書きと図柄は家族のを印刷する時についでに印刷してもらい、くれた人にだけ返事を出します。
添えるのは一言だけ。
「本年もよろしくお願いいたします」
こんな木で鼻をくくったような賀状を出し続けているのに、まだ年賀状をくれる人がいます。
今はどの家庭でも宛名をデータベースに入れて機械的に印刷しているのでしょうね。
私からどんなハガキが来たかなんて覚えていないのかもしれません。
毎年出していたものを、やめる、っていうのも勇気が要りますし。

この季節は何かと憂うつになります。自分に友達がいないという事実を突きつけられるからです。
いえ、だからって別に友達が欲しいわけではないのです。
本当のことを言うと、私はあまり友達が欲しいとは思いません。
おしゃべりが苦手だし、うわさ話には興味がないし、何気ない言葉にも傷付きやすいからです。

息子が登校していた頃はママ友がいたし、登校できなくなってからも、
ランチに誘われれば出かけていって愚痴を聞いてもらったり、学校の様子を聞いたりしていました。
私までママ友と付き合うのをやめてしまったら、息子を学校とつなぐパイプが断たれてしまうのではないかと焦っていたのです。
私が人間嫌いなせいで、息子まで社会にとけ込めないような気がしてしまうのです。

この前、怖い夢を見ました。年賀状のせいかもしれません。
ラインに即レスしないでいたら、ママ友が家に乗り込んできた夢です。
「なんだ、いるんじゃない」
夢の中のママ友は、どうしようもない常識知らずを見るような目で私を眺め、
「それならそれで、リンク貼っといてください」
などとよく分からないことを言いながら家に入ってこようとしました。
実は私は年末ろくに掃除もしていなかったので、家の中がひどく散らかっているのです。
こんなところを見られたらまたどんな噂を流されるかわかったものではありません。
即レスを求める権利も、もちろん家に押し掛けてくる権利もママ友にはないのに、まるで理屈が通じないのです。
「ちょっ待っ……」
必死で押しとどめようとしたところで目が覚めました。
夢のせいで、嫌な汗をびっしょりかいていました。

不登校の息子の合格祈願

2020-01-06 14:28:52 | 日記
今日は初詣に行って息子の大学合格を祈ってきました。

もう既卒なので不登校、じゃなくてただのヒキコモリなのかもしれませんが、まあ本人が
「俺は浪人生だ」
みたいな感じでいるので、ま不登校でいいかと。

と言っても本人は行きません。
自ら行かねばならない用件でない限り絶対に外出しない息子です。
(合格しても通えないんじゃないの?)
と思うのですが、挑戦する気になっただけでも彼にとってはすごいことなので、私としては合格を祈るばかりです。
なにより合格すれば自信がつくでしょう。息子に足りないのは自信だと思うのです。

というわけで今日の連れは大学の冬休みでごろごろしている娘です。

去年までは家の裏手にある橋を渡って高麗神社に歩いて行けたのですが、台風19号で橋が流れてしまい、
ぐるっと回り道して行かなければなりません。今年は車で行くことにしました。

もう1月6日、しかも平日だというのにまだかなりの賑わいです。
朝鮮半島ゆかりの神社で、近在には昔から渡来人も多かったようです。
境内にある大きな駐車場に停めることはできず、川を隔てた所にある臨時駐車場に停めます。

参拝はほとんど並ばずに済ませることができました。
数年前、たかをくくって三が日に行った時はお参りするのに何十分も並ばされてうんざりしたものです。

私が『合格祈願』のお守りを買おうとすると、
「プレッシャーになるでしょ。健康とか安全のお守りにしなよ」
と娘。
「えー、でも……」
せっかく合格祈願に来たのに。
「じゃあせめて」
ということで、『学業成就』のお守りにしました。

おみくじを引いたら私は大吉、娘は吉。
土地柄なのかチーズハットグの屋台が出ていたので娘と半分こして、物足りないので上タン塩の串焼きも買って食べました。
ベジタリアンの息子をダシにしてやりたい放題です。

11時ごろ家に帰ったら息子はまだ寝ていました。昼夜逆転がまだ直っていないのです。
こんなんでちゃんと試験受けられるのかなあ。