不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

オナニストの私の愛は

2019-05-28 09:20:28 | 日記
私は今までに何度か夫以外の男性に恋したことはありますが、実際に夫以外の男性と深い関係になったことはありません。
すべて上品な言い方をすればプラトニック、あけすけに言えばオナペット。
二次元の嫁と大差ない妄想の対象です。
オナニストの私の愛は一方通行で、相手と分かち合うものではないのです。

ましてMさんのような美青年なら、見るだけでもうお腹いっぱいです。
私はセックスは好きではありません。夫とは義理でしますが、私から求めることはありません。
Mさんとセックスするよりも、Mさんを思い浮かべながらマスターベーションするほうが完璧な絶頂を得られると思うのです。

排泄とかオナラとか口臭とか体臭とか、動物として不可避の生理現象を極力排除しようと知るこの社会において、
性欲がどの程度認知されるのかは分かりません。そういう話を誰かと正面切って話したことはありません。
性欲は恥ずかしく汚らわしいもののように感じられてしまう、これは理屈ではないのです。

愛と性欲が直結している私にとっては、愛も人に知られてはならない恥ずかしいものであり、
とてもMさんのように無邪気に周囲の人に宣伝したり、協力を求めたりはできません。
通常の恋愛ですらそうなのに、まして私には家庭があり、彼より30歳も年上なのですから、
それをみんなに知られるということはもはや拷問に近い苦痛です。

私は幼児期から性器性欲があり、周囲の人に眉をひそめられてきました。
そんなトラウマのせいもあってか、私は自分の性欲を非常に恥じる傾向があります。

オナニストであることは、絶対に知られたくない私のトップシークレットなのです。

私の育った家庭は貧しく、姉が高校を卒業して家を出るまで姉妹で同じ部屋を使っていました。
寝つきの悪い私に比べて姉は布団に入るとバタンキューというタイプですが、
マスターベーションをしているのを途中で目を覚ました姉に気取られたらどうしようと私は常に怯えていました。

ついでに言えば親は隣の居間に寝るのですが、居間と子供部屋の仕切りもふすま1枚で、
冬などはストーブの熱が2部屋に回るようふすまも開けてあったりします。

眠っている姉はともかく、すぐそばで背中を向けて飲んでいる父には、
私が自慰をしている気配が丸わかりだったのではないでしょうか。

それでも夜ごと襲ってくる性欲には抗えず、毎晩のように自慰にふけりました。
だから私はいつも自分のことを汚らわしい存在と感じずにはいられませんでした。

父と書店に行った時のことです。中学生だった私は当時友達の間で流行っていた心理テストの本を選びました。
「これ買って」
私が渡した本をパラパラとめくった父はふとあるページに目を止め、吐き捨てるようにこう言いました。
「こんな記事にばっかり興味があるんだろう?」

それはセックスの相性を占うみたいなページでした。そんなページがあるなんて私は気付いてもいなかったのに……。
そんなページのある本を父にねだるほど、私は無邪気ではないのです。
むしろ自分の性欲をひた隠しにし、自己嫌悪に苦しみ、誰にも言えずに悩み抜いていたのです。

親にとって子供の性欲と向き合うのは難しいことだろうとは思いますが、自分にも性欲があるなら(もしくはかつてあったなら)、
子供の心にちょっぴり寄り添ってくれてもいいのではないでしょうか。

ストーカー王子の劇場型恋愛

2019-05-19 14:40:24 | 日記
ストーキングは犯罪です。

ただ私は昭和の女なので、この手の愛情表現にそれほど違和感はありません。

「明日がある、明日があるさ…」
というCMがはやったことがあります。

確かこんな歌詞でした。
「ある日突然考えた、どうして俺は頑張ってるんだろう。家族のため?自分のため?答えは風の中…」

でもこれはもっと昔の曲のカバーで、元の歌はこんな歌詞なのです。
「いつもの駅でいつも会うセーラー服のお下げ髪(中略)あの角まで、あの角まで、今日は諦めた…」

これはまさにストーカー。昭和の頃にはこんな恋愛が容認されていたように思います。

いつしか私は朝のエレベーターホールで、昼休みの食堂で、Mさんの姿を見つけられないと寂しく感じるようになっていました。

付帯業務の応援が終わった今、仕事で会えるのは私が2階へピッキングの応援に行った時くらいです。
ピッキングの応援があるかどうかはその日にならないと分かりません。
梱包で人手が足りなかったり、そもそも物量の少ない日には応援もありません。

その日私は朝からGASのブースで梱包をしていました。

「当配(当日配送分)が終わったら応援だからね」
GAS担当の黒シャツのオバサンが寄ってきて、含み笑いをしながらなだめるように私に言いました。

「あ、そうですか」
なぜそんなことを言われたのか分からずに私はきょとんとしました。


GASとは同時に最大10個の荷物をコンピューターの指示で仕分けできる新しいシステムです。
手梱包のバラに比べて生産性が高く、ゆくゆくはラインのほとんどがGASに取って代わるという噂でした。

つまりGASの練習をさせてもらえないということはリストラの候補であることを意味します。
だから朝からGASのブースに入れるのは私にとってうれしいことでした。

あっ、と思いあたったのはしばらくあとでした。

あとでMさんに会えるから我慢してね、という意味なのです。

彼の友達ばかりでなく、いつの間にか私とMさんの噂は3階にまで飛び火していたのでした。

それも無理はありません。劇場型恋愛とでも言うのでしょうか、
Mさんときたらわざわざ梱包事務所にまで乗り込んできて上司の前で流し目をくれて行ったり、
私の行く先々で待ち伏せしてみたり、これ見よがしに私への思いを宣伝するのです。

頬がカッと熱くなりました。Mさんのことは好きですが、仕事には人並み以上に真剣に取り組んできたつもりです。
彼の派手なパフォーマンスの前では私の真面目な仕事ぶりなどかすんでしまい、
男に会うためならみんなの嫌がる応援に喜んで行く都合のいいオバサンとしか扱ってもらえないのです。

私のプライドは傷つきました。けれど仕方ありません。
私だって、30歳も年下の男に追っかけられて喜んでるオバサンが職場にいたら、
若い男とイチャコラするために職場に来ている仕事そっちのけの色ボケババアだと思うでしょう。

年の差恋愛はつらいよ

2019-05-07 09:59:31 | 日記
それからというものMさんは私の行く先々に現れるようになりました。

朝のエレベーターホールには私が必ず現れると分かっているので、
タイミングを合わせてエレベーターに乗ってきます。
その際必ず空の台車を押しています。
いかにも仕事をしているように見せかけるためでしょう。

別の階で働いているので休憩時間は分からないかと思いきや、
私を見かけたら教えるようにと友達に頼んでいるようです。

なぜそれが分かるかと言えば、休憩の始めに2階のNさんかHさんかOさんかKさんに会った場合、
高い確率で休憩の終わりごろにはちゃっかり私の背後の席に陣取っているからです。

一般のバイトは命じられたとおりにしか動けませんが、
彼は黒シャツなのでなんだかんだと口実をつけて自由に動き回れるのです。

休憩も手の空いたタイミングで取れるのでしょう。
わざわざ私が食堂にいる時を狙って休憩しているようです。

私はMさんに会うたび恥ずかしくてたまりません。
シワとか白髪とか、見られるんじゃないかと気が気でないのです。

そもそも彼の友達にまで私のことが知れ渡っていると思うと、一体どう思われているのか、
穴があったら入りたい気分です。

恋に目がくらんでいるMさんはともかく、他の人が見たら私がオバサンだってことは一目瞭然のはず。
実年齢の51才よりは若く見られているとしても、好奇の視線を向けられていることは間違いありません。

それに私に夫と子供がいることは、2階の人は誰も知らないんだろうか。
誰か知っててもおかしくないはずです。

Mさんは知ってて追っかけてくるのだろうか。知らないなら言ってあげるべきだろうか。
「私、夫と子供がいるんです」って……?
あくまで偶然を装って休憩時間に現れるだけの人に向かって?

プライドが高くて意地悪なところのあるMさんですから、
「たまたま休憩が重なったからって、なに意識してんの」
などと反撃してくるかもしれません。

好きなんだけど会うのが苦痛。

食堂でも、Mさんが後ろから見ているかと思うと食事もろくにのどを通りません。
やっとのことでお弁当を平らげると、女子更衣室にこもる毎日。
さすがにここまではMさんも追ってこられません。

ストーキングは犯罪です。